【高校野球】止まらない涙 来春統合の大井・小田原城北工、夏に別れ 新校に夢託す/神奈川
<高校野球神奈川大会:関東学院12-0大井・小田原城北工>◇9日◇1回戦◇いせはら・サンシャインスタジアム
歴史を紡いだ2つのユニホームが夏に別れを告げた。
来年度に統合し「小田原北高校」となる予定の大井・小田原城北工連合は関東学院との初戦に挑み、5回コールドで敗戦。先発の小田原城北工・田崎雄大主将(3年)は「投げきれず途中で終わる形になって悔しい」と大粒の涙を流した。
大井は42年、小田原城北工は64年の歴史を持つ。大井の1期生に息子が在籍し、以後毎年必ず夏大会の応援に訪れた保川ヨシトシさん(89)は「(統合は)さみしいがやむを得ない。一生懸命やってご苦労さまと言いたい。来年から新校を応援します」と話し、スタンドから拍手を送った。
新校に託す思いを、田崎主将が「新しい記録をどれだけ作れるか楽しみ」と話すと、大井・小島春晃捕手(3年)も「少人数だからこその連携と仲の良さをそのままに、勝ってほしい」と続けた。本年度いっぱいは連合として活動する。「最後のページを刻めるような、大きな選手に」と新主将になる大井・小泉優力外野手(2年)ははっきりと誓った。来年4月から始まる新たな歴史に、両校の歴史をつなぐ。【寺本吏輝】