【日本代表】ジャーメイン良4発!記録ずくめのデビュー 磐田時代「恩師」との出会いで急成長
<東アジアE-1選手権:日本6-1香港>◇8日◇韓国
【龍仁(韓国)8日=永田淳】日本代表(FIFAランキング15位)が東アジアE-1選手権の初戦で香港代表(同153位)を6-1で下し、快勝発進した。
初招集で先発したFWジャーメイン良(30=広島)が実に95年ぶりとなる代表デビュー戦で4得点と大暴れ。前半だけで5ゴール、後半にも1点を追加した日本が力の差を見せつける白星で、大会連覇に向けて力強く踏み出した。
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FWジャーメインが、記録ずくめの代表デビューを飾った。
前半4分にMF相馬のクロスに反応し、胸トラップからの左ボレーで電光石火の先制弾。同10分に再び相馬のクロスから頭で決めると、同22分には早いパス回しから左足でコースを突いてハットトリックを達成。同26分には右足でも決めて、あらゆる形で得点できることを証明してみせた。4ゴールで最高の初戦にした点取り屋は「1点取れるとリラックスできるところがあるので、1点目をどのタイミングで取るかが自分の中でのポイントだった。爆発力は出たかなと思う」と、磐田時代24年3月の川崎F戦以来となる1試合4得点を振り返った。
30歳以上でのデビュー戦ゴールは、記録の残る限りで史上初となる偉業。この日ゴールを決めたMF稲垣の持つ29歳の記録を抜いて、歴史に名を刻むことになった。さらに初陣でのハットトリックは4人目となる快挙。前半22分での達成は、1930年の若林竹雄に並ぶ最速記録で、同26分での4点目は、単独での最短記録となり「名前が残ったかなと思うと、うれしい」と胸を張った。
23年に当時J2だった磐田で指導を受けた「恩師」との出会いが、急成長への転機になった。代表コーチも務めた横内昭展監督(当時)から求められたのは「プレーに強弱をつけること」。常にフルパワーでゴールを目指していたスタイルを見直し「パワーを使うところと、そうじゃないところ(を使い分ける)」と冷静さを身に付けた。それによって、クロスから決められるポイントを見つけた。
昨季はJ2に降格した磐田で気を吐き、J1で日本人最多の19得点。それまでシーズン3点が最高だった男が、磐田で覚醒。今季移籍した広島で、30歳にして初選出された。
今後の代表定着が期待される働きも「僕は応援している側で、そこまで意識できない」と謙虚に話した背番号13。それでもこの日発揮した決定力は、26年W杯北中米大会でのメンバー入りに向けて間違いなくアピールになった。
◆ジャーメイン良(りょう)1995年(平7)4月19日、神奈川県生まれ。流通経大柏高から流通経大に進み、17年に当時J1の仙台に加入。21年に横浜FC、22年に磐田へ移籍し、24年にJ1で日本人最多の19得点を決めた。今季から広島でプレー。代表1試合4得点。J1通算166試合34得点。父は米国人、母は日本人。182センチ、82キロ。左利き。