【巨人】首位阪神と8ゲーム差にも阿部慎之助監督が思い出す引退年の記憶「追われる立場しんどい」
<巨人-中日>◇8日◇山形
3年ぶりの山形開催に、巨人が次なる一手を打って臨む。将棋が有名な土地での試合を前に、阿部慎之助監督(46)がリチャード内野手(26)を1軍昇格させた。
「長打はある。代打でいてくれたら相手も不気味だろうし。昨日、桑田(2軍監督)さんとも話して。取り組みとかもいいし、報告も受けてるから。それはずっとね、続けてほしいなと思ってます」
5月にトレードでソフトバンク加入したロマン砲。1軍に即合流して2本塁打を放ったが、打率0割9分5厘と低迷して6月13日に2軍降格となっていた。
その後も快音が遠ざかる日々を過ごしたが、直近5試合では16打数7安打の打率4割3分8厘、1本塁打、6打点とアピールしていた。1発のある“飛”び道具を手駒に置く。
三塁手は坂本勇人内野手(36)が好調さを保っており、「(スタメンは)勇人を休ませるときくらいかな。相手のピッチャーを見てチャンスあげたい」と見据える。「後半戦が始まってから言ったけど、戦力としてはね、なかなか厳しい状況だけど、何とか食らいついていく阪神に」と、首位との8ゲーム差を追う中で、貴重な飛び駒となりそうだ。
9日には自力V消滅の可能性もある中、「何が起きるか分からないし、それが楽しいんだよ」と頼もしい。自身の引退年だった19年を引き合いに出す。球宴前に同率2位のDeNA、阪神に9・5差も、球宴後1カ月もたたずに2位DeNAに0・5差まで迫られた。「じわじわじわじわって迫られたりした。そういうのもあるから。それがあると思って、こっちはやるしかない。追いかける立場の方がまだ楽だと思うから。追われる立場の方がしんどいのは経験済みだから。それをプラスに思ってやるしかない」。戦局を覆す一手を常に考えながら、“王手”をあきらめない。