カブス鈴木誠也

7月15日(日本時間16日)にアトランタで行われるMLBオールスターのロースターが6日(同7日)、スポーツ専門局ESPNの番組内で発表され、ドジャース山本由伸投手(26)が初めて、エンゼルス菊池雄星投手(34)は2回目となる出場が決まった。日本人選手としては、ファン投票でリーグトップのド軍大谷翔平投手(31)と合わせて史上最多タイとなる3選手が選出された。その一方で、メジャートップの77打点と活躍中のカブス鈴木誠也外野手(30)が選出漏れし、日米両国で話題を集める結果となった。

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今やメジャーで「RBI(打点)マシン」と呼ばれるようになった鈴木がロースター漏れしたのは、不運と言う以外にない。

カブスからは、すでに中堅クローアームストロングと右翼タッカーがファン投票で選出されており、スタメン出場が決定。「DH」枠では、トップ当選の大谷に次ぎ、27本塁打のシュワバー(フィリーズ)が入り、鈴木の初選出が見送られた。

地区首位を走り、全国的な人気のドジャースから5人が選出されるなど、多数当選は珍しくない。11回目のド軍カーショーの場合、史上20人目の3000奪三振を達成したこともあり、コミッショナーのマンフレッド氏による「レジェンド枠」。その一方で、全球団から最低1人を選出するルールもあり、鈴木は当落線上ギリギリのところで惜しくもロースター漏れしたものと見られる。

その一方で、地元シカゴだけでなく、米国全体でも「鈴木落選」に対して疑問を呈する声は少なくない。

球宴前に25本塁打、75打点に到達したのは、カ軍では01年のサミー・ソーサ以来。現時点でメジャー最多打点を走る鈴木への高い評価は変わっておらず、この日の「カブス-カージナルス戦」を中継したスポーツ専門局ESPNでは、球宴前日に行われるホームランダービーへの出場を期待する声も聞かれた。

メジャーでは、ほとんどの選手が所属球団との間で、球宴に選出された場合、平均5万ドル(約725万円)前後の特別ボーナスを受け取る契約を結んでいる。もっとも、球宴に出場する意義は、金銭面でなく、あくまでも「名誉」。選手のプロフィルには、個人タイトルだけでなく、必ずオールスター出場回数が併記されるなど、「ミッドサマー・クラシック(真夏の祭典)」の重みは、今も昔も変わっていない。

今後、選出された選手が登板日程や故障などにより、辞退するケースも想定されるだけに、鈴木が追加で選出される可能性は十二分にある。球宴出場は名実ともに「全国区」の証明。今回の選出漏れが話題になること自体、鈴木への認知度を示した結果と言い換えてもいい。【MLB担当・四竈衛】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 「打点王」鈴木誠也の球宴選出外に疑問の声 各球団最低1人など不運 今後選出の可能性も/解説