愛知大会2回戦 愛知総合工科対誉 3番手で登板した誉のモレチ(撮影・中島麗)

<高校野球愛知大会:誉9-0愛知総合工科(7回コールド)>◇6日◇2回戦◇岡崎レッドダイヤモンドスタジアム

誉(愛知)のモレチ・アレシャンドレ投手(3年)が、自己最速タイの147キロをマークした。日米7球団のスカウトが熱視線を送る中、3番手で6回に登板。1回16球を投げ、1安打無失点と好投。試合後、今秋にプロ志望届を提出する意向も明かした。

「全然フォームが安定していなかったので、その修正でこの1週間は、質を求めてやってきました」。五条との1回戦では2番手で登板し、1回1/3を4奪三振3四球1失点で納得のいかない結果だった。シャドーピッチングを行うなど投球フォームの安定に取り組んだ。

名前のアレシャンドレはアレクサンドロス3世になぞらえ、両親が「偉大な人」という意味を込めてポルトガル語を用いて、命名。イタリアとサッカー王国・ブラジルのハーフの父と、日系ブラジル人の母の元で育った。いとこは、フットサル日本代表の逸見勝利ラファエル(32)で、家族で野球には親しみがなかった。

転機が訪れたのは小学4年生。友人の影響で父パウロさん(49)にグラブとボールを買ってもらった。公園で親子でキャッチボールをしている時に、自宅の隣人の誘いで少年野球チーム、ジャガーズに入団。中学3年生までの6年間、野球未経験の父が土日は練習相手として支えた。今は実家から同校まで自転車通学。プロ入りの夢を追うわが子へ「今はパパとママで面倒見られますが、次のステージでは、1人で頑張ってくださいね」と母クリスチアーノさん(51)さんは笑った。同校入学後は体重の増加とともに、球速は約20キロ上がった、期待の成長株は「親からもらった、この体が、一番の長所」と感謝した。

「目標の優勝には、愛知県の中で8勝しないといけないし、1勝1勝、積み重ねたい」。6年ぶり2度目の夏の甲子園出場へ、グラブに刺しゅうする「王座奪還」に燃える。【中島麗】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【高校野球】誉の長身右腕モレチが自己最速タイ147キロ!長所は「親からもらったこの体」/愛知