バースデー登板の大谷翔平、31歳迎え今後の人生「野球と家庭」について語る 心身も充実
<ドジャース4-6アストロズ>◇5日(日本時間6日)◇ドジャースタジアム
【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)5日(日本時間6日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(31)が日米通じて初のバースデー登板を終え、31歳を迎えて感じる心身の変化を語った。アストロズ戦に「1番DH兼投手」で出場し、投手では2回1安打無失点で3奪三振、打者では4打数1安打だった。チームは惜敗し、大谷の誕生日を勝利で飾れなかった。昨年2月末に真美子夫人との結婚を発表し、今年5月には第1子となる長女が誕生。今後の人生を彩る「野球と家庭」について、自らの考えを明かした。
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また1つ年を重ねた大谷は、汗をしたたらせ穏やかな表情で言葉をつないだ。試合後、すぐに行われた囲み取材。ユニホーム姿で、31歳を迎えた心境を語った。「あまり自分の誕生日がうれしいっていう歳ではないので。『おめでとう』って言ってもらえることに対してうれしいなとは思いますけど」。やや苦笑いしつつ、20代と比べて感じる心の変化を明かした。
「それはもうだいぶ違うのかなと。家庭を持って、子供も生まれればまた変わりますし、グラウンド外でもグラウンドでも人生観を変えるようなこと、必ずしもプラスな部分だけではないですけど、自分を成長させてくれると思うので、何事も経験かなと思います」
WBC優勝を飾った23年、シーズン終盤の9月に自身2度目となる右肘の手術を行った。昨年2月末には真美子夫人との結婚を発表。シーズンでは開幕直後に元通訳との離別もあったが、前人未到の「50-50(50本塁打&50盗塁)」を達成し、ワールドシリーズも制覇した。そして今年5月、第1子となる長女が誕生。野球だけでなく、人生でも大きな転換期を迎えた。
その上で、自分なりの価値観を明かした。「できればすみ分けて、あまり野球を家に帰って持ち込みたくはないですし、もちろん1人でいるときは『どうだったな』『ああだったな』っていう反省はあっていいと思いますけど、基本的にはグラウンドはグラウンド、家庭は家庭っていう風に考えたいなとは思ってるので。そこも含めていい時間を過ごせるかなと」。球場を離れれば、夫であり父親になる。その切り替えを前向きに捉えている。
二刀流でプレーしたこの日は、2回に100・9マイル(約162キロ)をたたき出したが、直球の平均球速は97・9マイル(約158キロ)と抑えめだった。2回には縦変化のスライダーなどで3者連続三振。既に復帰後4度目の登板で、続投を期待させるような投球を披露しても、きっちり予定の2イニングで終了した。「行けるからといって行くのが必ずしもいい答えだとは思わないので、チームの方針と、自分の感覚と、まずはステップを前に進めるのが大事」。パフォーマンスだけではない。年齢とともに心身の充実度も増してきている。