DeNA対阪神 4回表阪神2死一、三塁、熊谷は左越え適時三塁打を放つ(撮影・鈴木正人)

<DeNA0-3阪神>◇5日◇横浜

甘い球を逃さず振り抜いた。0-0の4回2死一、三塁。阪神熊谷敬宥内野手(29)が真ん中付近の126キロスライダーを捉え、この日花火も上がったハマの夜空へ飛ばした。「いい感じで当たったので『越えてくれ』と思いながら走っていました」。願い通りに打球は左翼フェンスに直撃。プロ初の三塁打が先制の2点適時打となった。

6回は無死一、三塁から右前適時打。「なんとかコトを起こそうと。いいところに飛んでくれた」。プロ初の1試合3打点でチームの全得点をマークした。今季6打点で早くもキャリアハイを更新。7番遊撃でのスタメン起用に応えた。

前日4日は8回に代走で出場し9回には1死二塁から左翼手の頭を越える適時二塁打で5シーズンぶりの長打を記録。16試合ぶり今季6度目の先発出場をつかんだ。

昨季は1軍でシーズンを完走。主に代走や守備固めとして活躍もスタメン出場はゼロだった。オフには「控えに甘んじることなくスタメンの座を。打たないと試合に出られない。守備と走塁だけだったら今のポジションのままで変わらない」と覚悟を示していた。

今季もベンチスタートが多いが、準備は怠らない。この日もスタメン入りには「びっくりしました」と話しつつ「いつも準備しているのでいつも通りできた」と頼もしい表情だ。小谷野打撃チーフコーチも「今まで積み上げてきたものが今年になって出ている。野球に対する姿勢も素晴らしい」とたたえる。ケガで少し出遅れるもシーズン自己最多の11安打で打率3割4分4厘。準備の鬼が先発出場で快音を響かせている。

「明日勝たないと意味がないと思っている。また連勝を伸ばしていければいい」。足や守備のスーパーサブとして欠かせない存在となっていた「背番号4」が打撃で結果を残し走攻守で勝利の立役者となった。【塚本光】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】熊谷敬宥「なんとかコトを起こそう」プロ初1試合3打点で全打点 今季6打点で自己最多