【阪神】伊原陵人、辛抱報われるサヨナラ勝ち「何とか粘って投げていけた」蒸し暑いマウンドで粘投
<阪神3-2巨人>◇3日◇甲子園
サヨナラ勝ちが決まり、阪神伊原陵人投手(24)は会心の笑みで喜びを分かち合った。蒸し暑いマウンドでの辛抱が報われた。
「先制点を与えたのは反省点ですが、そこから何とか粘って投げていけたのは良かったです」。
0-2の5回2死満塁。もう失点ではできない。打者門脇に思い切り腕を振ってカットボールを投げ込んだ。遊ゴロでピンチ脱出した。立ち上がり、いきなり3安打されて2失点。先発11試合目で初回の失点は初めてだった。被安打9、四死球4はともに自己最多。5回2失点と試合を壊さなかったのは投球術と精神力のなせるワザだった。
4月20日から先発に定着。ローテ再編があった今回は中10日と初めて登板間隔が空いた。ナイターの先発もプロでは初めて。「カウントを整える前のボールを捉えられてしまった。立ち上がりから高さかコースを工夫していかなければ苦しいなと感じていました」。いろいろと思うようにいかなくても粘り抜いた。
チームは暑さ対策を本格化。ほとんどの選手が解禁されたハーフパンツ姿で練習。この日、フリー打撃は通常より約15分早く終わった。シートノックも取りやめた。開始30分前の午後5時30分、先発野手の8人だけが約10分、軽く体を動かした。選手たちは練習後に約2時間、クラブハウスで過ごした。藤本総合コーチは「全部、勝つためにやっている」と説明した。選手は、こまめな水分補給やエアコンの温度に気を配るよう助言を受けている。
6月末に異例の早さで梅雨が明けた。炎天下だった前カードの神宮、今回の甲子園は勝ち越したが、試練はこれから。今日4日からは横浜、広島、再び甲子園、次の週も甲子園と屋外球場があと12試合も続く。プロ野球の「夏」は未体験のルーキー伊原も、踏ん張りどころを迎える。【柏原誠】