会見に臨む日本代表森保監督(撮影・河田真司)

日本サッカー協会(JFA)は3日、千葉市内で東アジアE-1選手権(7~16日、韓国)に臨む日本代表メンバー26人を発表した。好調なサンフレッチェ広島で今季公式戦29試合7得点7アシストの大卒ルーキーFW中村草太(22)が初選出された。抜群のスピードが武器で、ウイングバックとシャドーでプレーする。明大時代、関東大学リーグで史上初の2年連続得点王&アシスト王に輝いた逸材が1年後に迫るW杯北中米大会メンバー入りへチャンスをつかんだ。12人が初招集のフレッシュなメンバーで2連覇を目指す。

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ルーキーとして唯一の代表選出ながら、サプライズ感は薄かった。今季それほどのインパクトを残す快速アタッカー中村は「目標であった日本代表に初めて選んでいただき、大変、うれしく思います。チームの勝利に貢献できるように頑張ります」とクラブを通じてコメントした。

順調なプロキャリアを歩む。デビュー戦となったアジア・チャンピオンズリーグ2(ACL2)で初得点。J1開幕戦でも決勝点を奪うなど、シーズン序盤から公式戦7試合5得点と強烈な存在感を発揮した。その後も激しいレギュラー争いの中で出番を確保し、リーグ戦21試合2得点、リーグ2位の6アシストを記録。つい4カ月前まで大学生だったワンダーボーイが代表切符をつかんだ。

圧倒的なスピードが持ち味だ。森保監督から「局面でのスピード感、アジリティー能力を生かして局面をはがしていくところ、ゴールに向かってプレーできるところ」とその能力を高く評価される。守備の献身性もあり、左右のウイングバックでもプレー可能。スピードやキックという分かりやすい特長を武器に、22年の前回大会で得点王とMVPに輝き、同年W杯カタール大会メンバーに滑り込んだMF相馬の姿とも重なる部分がある。

中村はスピードだけの男ではない。明大時代には関東大学リーグで史上初の2連続得点王&MVPの2冠。筑波大時代の三笘薫でも成し遂げられなかった偉業で、決定力と勝負強さでチームを無敗優勝に導いた。人前に積極的に出るタイプではなかったが、最終学年では主将に指名され一皮むけた。精神的な強さも身につけ、プロでも黄金ルーキーとして注目される中で結果を残し続ける。

大学3年で10番を背負い始めた秋口に「夢は日本代表としてW杯に出場することです」とそっとつぶやいていた。夢を現実にするために、まずは韓国で大爆発する。【佐藤成】

◆中村草太(なかむら・そうた)2002年(平14)10月15日、群馬県生まれ。ホワイトスターU12でサッカーを始め、前橋FC-前橋育英高-明大。25年に広島に入団した。大学3、4年で関東大学リーグ得点王とアシスト王の2冠。23年はリーグMVP、ベストイレブンと個人賞を総なめにした。23年にU-22日本代表候補。168センチ。64キロ。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【日本代表】春まで大学生だった中村草太が初選出「うれしく思う」夢のW杯出場へまず韓国で爆発