東京Vの綱島悠斗は日本代表初選出にガッツポーズ(撮影・佐藤隆志)

東アジアE-1選手権に臨む日本代表メンバーに選出された東京ヴェルディDF綱島悠斗(24)が3日、東京・稲城市のクラブハウスでメディア対応し、大会への意欲を語った。

初のA代表入りとなるが、代表歴について問われると「一切ないです。なんか中学1年の時に日本選抜っていう、日本代表になる前の本当に選抜のバックアップメンバーに入ったのが多分、一番いい経歴です」。

国士舘大時代は関東学生選抜で活躍した。ただ日の丸を付けて戦うことはなかった。

それだけに「日本を背負って戦わなきゃ行けないっていう気持ちの重圧は感じます。それに打ち勝って自分のプレーを日本中に広めたいっていうワクワク感の方が今は強いですね」と笑顔で話した。

もともとボランチだったが、昨シーズンに東京Vが3バックシステムを採用し、対人の強さから右ストッパーとして起用されると、そこからDFラインが定番となった。図らずも日本代表も3バックで戦っていた巡り合わせの良さもあった。今季は右だけでなく、ラインを統率する中央で起用されるなどプレーの幅を確実に広げている。

「自分の強みは攻撃面で前に(パスを)付けられたりとか、アタッキングサードでプレーするというところは強みにしたい」

東京Vから日本代表に選出されるのは、2019年6月の南米選手権に若手主体で参加した日本代表にMF渡辺皓太が選出されて以来で、当時はJ2だった。渡辺は出場機会がなく、同年8月には横浜に移籍している。所属選手が国際Aマッチに出場したのは、08年8月20日の親善試合ウルグアイ戦でのFW大黒将志が最後となっており、綱島には17年ぶりのプレーが期待される。

綱島は昨年7月からサッカー日誌を欠かさず書いており、自らの成長の糧としてきた。「紙を一枚一枚積み上げるように」と、日常の成長をうながしていく城福浩監督の指導も手助けとなり、可能性を大きく広げることにつながった。

「今の自分がいるのは城福さんを含めたコーチングスタッフの方々のおかげ。本当に城福さんからは色々なアドバイスをいただいて。今の自分にはどういうアドバイスがいいのかっていうのを考えて、自分に出してくれているなっていうのはすごく感じている。感謝しかないです。疑問について相談できるコーチングスタッフもいますし、本当にみなさんのお陰で今、この立場に入れていると感じています」

そして思いがけぬ縁もあった。今回初招集された川崎フロンターレMF大関友翔(20)との関係だ。綱島が国士舘大4年で母校・生田東高校へ教育実習に行った際、「サッカーやっている実習生が来た」と興味本位で絡んできたのが当時高校3年生の大関だったという。「向こうは自分がプロになるような選手だとは思っていなかったみたい。彼は世代別代表に入っていた。それが、こうして同じ代表チームに入るのはとてもうれしい」と言って笑った。

目指していた日本代表、そのスタートラインに立った綱島は「やっぱり選ばれた事に満足するのでなく、自分がどれだけこの活動で結果を出せるかというのにこだわっていきたい」。日頃から目標を口にすることでそれを実行に移してきた。有言実行の男は、ここから来年のW杯出場を本気で狙っていく。【佐藤隆志】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【日本代表】東京V綱島悠斗「教育実習に行ったら…」初招集組の大関友翔との思いがけぬ縁明かす