【山形】酒田南・前田力吉丸主将「チームのために」意識改革で春V、夏も「できることを準備」
<東北地区注目選手紹介:連載2>
第107回全国高校野球選手権大会(8月5日開幕、甲子園)出場を懸け、来週から東北各地で熱戦が繰り広げられる。東北6県版では各県の注目校や選手を紹介する。2回目は2年連続の出場を目指す金足農(秋田)と4年ぶりに春の山形王者となった酒田南(山形)。チーム一丸で夏に挑む。
◇ ◇ ◇
春の王者が勢いに乗り、夏に挑む。昨年秋季大会。4季連続で山形の頂点に立った鶴岡東に準々決勝で、3-7で逆転負けを喫した。前田力吉丸(りきまる)主将(3年)は「自分がいいプレーをしたり、自分が打てたりしたらいいという考えだった」と当時のチームを振り返る。
前田自身も13打数6安打をマークしたが「強力打線じゃない。つないでいくことを大事に」と課題が見えた。冬はチームのために1人1人が自覚を持って練習に励んだ。毎日、腹筋と背筋150回に取り組み、体幹を鍛えた。力の入れどころへの意識につながり、打球の飛距離も伸び、ミート力もアップした。
迎えた今春の県大会。前田主将はミーティングで「もう1度ちゃんとチームのためにという意識を持とう」と熱く訴えた。けがから復帰したエース山中一輝投手(3年)ら投手陣の粘投、準々決勝から3試合連続2ケタ安打をマークし「前までは自分勝手だったチームも、1人1人がチームのためを思えている」。成長でつかんだ頂点だった。
東北大会では学法石川に逆転サヨナラを許し、3-4で初戦敗退。それでも、ひと冬越してつかんだ手応えは変わらない。「今は、さまざまな場面でおこりうることを共有、声がけをしながら守備練習に力を注いでいます。自分たちのできることを準備していきたいです」。山形大会は10日に開幕。酒田南の甲子園への道は13日、米沢中央と寒河江工の勝者と対戦からスタートする。