【新潟】ケガから復活 帝京長岡の140キロ右腕、武田晄樹「全試合投げたいくらい」
<新潟大会・注目選手(3)>
昨夏の新潟大会準優勝校、帝京長岡のエース武田晄樹投手(3年)が完全復活して夏に臨む。春季県大会は右肩痛などで登板がなかった。この間にフォーム修正などを行ってきた。グレードアップして初の甲子園切符をもぎ取りに行く。
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「夏の大会はいちばんいい状態で迎えられると思う」。武田は自信を込めて言った。練習試合では5、6回と投球回数を伸ばしながら順調に調整中。11日の初戦(2回戦)は高田北城と対戦する。「全試合投げたいくらい」とテンションも上がってきた。
最速140キロの直球を軸にスライダーをコーナーに決める投球が持ち味。ただ、春先は右肩を痛めた。コンディション不良も伴い、春季県大会は背番号「21」でベンチ入りしたものの登板はなし。チームは2回戦で関根学園に延長10回タイブレークの末、2-3で敗れて春3連覇を逃した。「本当は自分が投げなければならなかった」と悔やんだ。
もっとも、投げられなかった時期のトレーニングが生きてきた。冬場に下半身を鍛えたのに続き、春からは上半身の筋トレや体幹の強化に時間を費やした。昨秋まで取り組んでいた2段モーションをやめ、スムーズなフォームにしたことで「球が指にかかる感触がよくなった」と実感した。
芝草宇宙監督(55)は「経験もあるし、安心してみていられる」と絶対的な信頼を寄せる。ロッテ茨木佑太投手(19)を擁した昨夏、帝京長岡は決勝で新潟産大付に2-4で敗れ、初の甲子園を逃した。武田はベンチで屈辱を味わった。「今年が自分が引っ張って甲子園に行く」。自覚を持ってマウンドに立つ。【斎藤慎一郎】
◆武田晄樹(たけだ・こうき)2007年(平19)8月25日生まれ、埼玉県出身。城南小2年の時に少年硬式野球の川口リトルで野球を始める。柏陽中では川口シニアに所属。帝京長岡では2年の春からベンチ入りし、秋は背番号1。181センチ、83キロ。右投げ右打ち。