ドジャース対ホワイトソックス 試合前練習で笑顔を見せるドジャース大谷(撮影・滝沢徹郎)

<ドジャース6-1ホワイトソックス>◇1日(日本時間2日)◇ドジャースタジアム

【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)1日(日本時間2日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(30)が、5年連続30号に到達した。ホワイトソックス戦に「1番DH」で出場し、4打数1安打。4回の第3打席で右越えソロを放った。球宴前の30本塁打は21年、22年に次いで3度目で、史上4人目の快挙。貴重な追加点を挙げ、7回3安打1失点で今季8勝目を挙げた山本由伸投手(26)を援護した。また、大谷の次回登板は31歳の誕生日となる5日(同6日)、アストロズ戦に決定。バースデーゲームに日米通じて初めて「投打二刀流」で臨む。

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きっちり構え直した大谷は、白球を夜空にかち上げた。5-1の4回2死、フルカウントから右腕スミスのスライダーを力強く捉えた。視界良好。打球速度116・3マイル(約187キロ)、角度42度で上がったムーンショットは高さ167フィート(約51メートル)まで到達した。やや上がりすぎのミスショットだったのか、歯を食いしばるように打球を追った。それでも右翼席中段まで運ぶ怪力は健在。好投していた山本を援護した。

5年連続で30号に到達。安定感を生み出すために、基本の継続を怠らない。本塁打を放つ2球前、同じ縦変化のスライダーをファウル。打球が球心の右膝を直撃し、状態を案じた。幸い軽症で、試合が再開した。中断したのは、約1分。そのタイミングで、大谷はバットをホームベースの延長線上に置き、軸足の立ち位置を再確認した。毎打席に入る前に行うルーティンだが、通常はピッチクロックのルールがあるため、打席途中ではできない。

この日は、わずかな間があった。大谷は逃さなかった。構えは打撃の基本。その意識を忘れずに継続する-。足の踏み場をがっちり固め、本塁打につなげた。

捉えたボールは、ファウルとなった2球前とほぼ同じ、縦変化のスライダーだった。2打席目までは凡退していたが、3打席目で改善。試合後、中継局のインタビューでは「最初の2打席は抑えられましたし、3打席目で最後、いいスイングができた。今日はやっぱりヨシノブが素晴らしい仕事をしてくれたので良かったと思います」と、自身の成果以上に後輩の快投をたたえた。好結果でも、そうでなくても、タブレットで映像を確認し、打席間で微修正を重ねる姿は不変。地道な作業も惜しまない。その積み重ねが、数々の快挙を生んでいる。

球宴前に30号に到達したのは自身3度目で、メジャー史上4人目。15日のオールスター戦には、ファン投票でナ・リーグ最多得票で選出され、5年連続で「DH」でのスタメン出場が決定している。「ドジャースから多くの選手がオールスターで一緒にプレーできれば、うれしいなと思います」。6月は7本塁打に終わったが、直近8戦で5発。再び、量産態勢の気配が漂ってきた。

▼大谷が5年連続5度目の30号到達。5度は日本人初、現役で12人目。オールスター戦の前に30号到達は21、23年に次いで3度目。ドジャース移籍後では初で、19年ベリンジャーに並ぶ球団最多タイ。通算3度はマグワイア(4度)、グリフィー、ジャッジ(4度)に次いで史上4人目。今季はジャッジ(ヤンキース)ローリー(マリナーズ)に次いで両リーグ3人目で、3人以上は19年以来6度目。

▼大谷の30号は打球角度が42度で打球速度が116・3マイル(約187キロ)。データ測定が開始した15年以降、36度以上の本塁打ではメジャー史上最速の打球となった。

▼大谷は30本塁打に加えて、11盗塁、7三塁打。オプタスタッツによると、5年連続の30本&10盗塁&5三塁打達成は大谷が史上初。3年連続の時点で大谷しかいない。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 大谷翔平、史上最速打球で5年連続30号「ヨシノブが素晴らしい仕事」快挙達成も後輩称賛