岩隈久志氏(2025年1月31日撮影)

フジテレビ系の人気スポーツ番組「すぽると!」が29日に放送され、二刀流を再開した大谷翔平投手(30)の復帰3戦目を楽天やメジャーでも活躍した岩隈久志氏(44)、阪神などで活躍した糸井嘉男氏(43)が分析した。

大谷は復帰3戦目の28日(同29日)ロイヤルズ戦で、1死からウイットに初球スイーパーを左前に運ばれた。次打者ガルシアには制球が定まらず、復帰後初の与四球。1死一、二塁で先制点のピンチを招いたが、大谷はギアチェンジ。4番パスクアンティノに初球99マイル(約159キロ)直球を内角にストライク。2球目はさらに厳しい内角のコースへ100マイル(約161キロ)直球をストライク。3球目はメジャー自己最速となる102マイル(約164キロ)直球を詰まらせる二ゴロ併殺でピンチを脱した。

復帰後初の2イニング目では、1死走者なしで迎えたカグリオンには落差89センチのスライダーで追い込み、最後もスライダーで空振り三振。この日は縦のスライダーを駆使し、2回を27球、1安打1奪三振1四球、無失点。復帰後3戦目では、縦の変化球でスプリットを1球も使わず、縦に落ちるスライダーを多投する内容だった。

実戦の中で、大谷は登板ごとにさまざまな球種を試している段階。岩隈氏は「縦のスライダーっていうのは今まで1球もなかったボールなんですよね。スピードも速くて曲がるのでスプリットに近い部分はある。もしかしたらこれがスプリットに代わる縦スラ(縦の変化球)になるかもしれないですね」と分析した。スタジオの千鳥から「球種を増やしているってことですよね?」と問われると「増やしてますね」と回答。さらに「スプリットってやっぱり肘への影響で投げたくなかったりするんですか?」と聞かれると岩隈氏は「そんなことはないと思います。スプリットはいつでも投げられると思うんですけど、縦のスライダーでどれだけできるのか試している部分もあると思います」と解説した。

これまでの大谷は大きく変化するボールのスイーパーやスプリットで空振りで三振を奪っていたが、同球種は球数が自然と増えてしまうことで体への負担がかかっていた。岩隈氏はバットの芯を外せるシンカーと球速帯の近いスライダーのコンビネーションに注目。「(2、3戦目で多投した)縦のスライダーと(1戦目で多投した)シンカーで球数を少なく、イニングを投げるためにゴロを打たせるボールを使おうとしているのかもしれない」と負担を軽減するべく、打たせて取る投球を目指しているのではないかと解説した。大谷の止まらぬ進化に糸井氏は「昨年50-50した選手ですよね? いつリハビリしてトレーニングしたのか知りたいですね」と驚愕(きょうがく)の表情を見せていた。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 大谷翔平の復帰登板3戦目を元メジャーが分析 糸井氏驚き「昨年50-50した選手ですよね?」