巨人対DeNA 6回裏巨人1死満塁、オコエに3点適時三塁打を許し降板したバウアー(中央)は大原投手コーチ(左)に険しい表情で話す(撮影・浅見桂子)

<巨人5-0DeNA>◇28日◇東京ドーム

DeNAのベンチ内が、トレバー・バウアー投手(34)の激しい口調が響き、一瞬凍り付いた。

2点ビハインドの6回1死満塁、バウアーが巨人オコエにダメ押しの3点適時三塁打を浴び、6回途中5失点でKO。マウンドを降り、ベンチに戻った後、大原コーチに激しい口調で何かを訴えると、ベンチの選手、コーチらも視線を向け、異様な空気が漂った。

バウアーが、周囲を凍り付かせたシーンで思い出されるのは、来日1年目の23年7月1日の中日戦(横浜)。挟殺プレーでアウトが取れず、グラウンド上でほえた。

内野陣、ベンチのチームメートらを戸惑わせたが、試合後は「自分自身をコントロールできたとは思ってません」と冷静さを取り戻し、三浦監督、投手コーチからも声を掛けられた。

当時の紙面の記事から振り返る。

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ほえて、ほえて、ほえまくった。DeNAトレバー・バウアー投手(32)が、グラウンド上で感情をむき出しにした。2点ビハインドの6回2死満塁、中日高橋周のゴロを捕球。一塁のソトを両手で制し、自ら猛ダッシュで一塁を踏み、6回2失点で降板した。「歓声がよく聞こえた。感謝したいですし、素晴らしいエネルギーを送ってくれた」とファンに頭を下げた。

執念で抑え込んだが、心の制御に苦心した。その直前、2死一、二塁から岡林の二塁内野安打で、一塁走者の龍空が二塁も回って三塁に走ったが、二塁走者の石橋が三塁ストップ。牧が龍空を三塁に追い込んだ後、石橋が飛び出し、捕手の伊藤にボールを送ったが、連係がうまくいかず。オールセーフとなると、バウアーはホーム付近で数回、マウンドに歩きながら何度も叫んだ。

「かなり腹が立った。誰に対してではなく、強いて言うなら自分自身。本来なら7、8、9回と投げたかった中でああいう状況になったことに腹が立った。あの回は自分としてもいい投球ではなかったし、自分のエラー(記録は安打)もあって、優勝するチームの野球ではなかった」

スタンドが沸く一方で、“激怒”に周囲は一瞬ヒヤリとしたが、試合後は「自分自身をコントロールできたとは思ってません」と冷静さを取り戻した。三浦監督は「試合中だったので熱くなるのもね」と話した。9回以降、再三好機をつくりながら得点を奪えず。今季2度目の引き分けで連敗ストップは逃したが、ハマスタのデーゲームでは12勝2分けで無敗記録は継続した。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【復刻】DeNAバウアーが周囲を凍り付かせた2年前の“怒り”