ロイヤルズ対ドジャース 1回表ドジャース無死、先制ソロ本塁打を放った大谷はポーズを決める(撮影・滝沢徹郎)

<ロイヤルズ4-5ドジャース>◇27日(日本時間28日)◇カウフマンスタジアム

【カンザスシティー(米ミズーリ州)27日(日本時間28日)=四竈衛】ドジャース大谷翔平投手(30)がロイヤルズ戦に「1番DH」で出場し、今季8本目の先頭打者弾となる29号ソロを放つなど3打数2安打2打点と活躍した。本塁打は2試合連続で、ここ5試合で4本目。ド軍は4安打ながら1点差で逃げ切り、5連勝を飾った。大谷は試合終了から約17時間後に開始予定の28日(同29日)の同戦に先発予定。先頭打者として打席に向かい、その後、今季3試合目となる先発マウンドへ向かう。

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登板前日の張り詰めた空気を一切感じさせることなく、大谷は豪快に打球を飛ばし、ダイヤモンドを快足で駆け回った。初回。先発左腕キャメロンとの初対戦で、カウント1-2と追い込まれた後、内角へ沈む時速78マイル(約126キロ)のチェンジアップをすくい上げた。右中間の「ファウンテン・デック」と呼ばれる噴水エリアへ、2戦連発となる飛距離約131メートルの先制29号ソロを運んだ。事前にデータがあったとしても、初めて見る球種を完璧にはじき返した一打。マウンド上の新人左腕は、ぼうぜんと見送るしかなかった。

3-4の5回無死一塁からは右中間を深々と破ると、トップスピードのまま、ためらうことなく三塁へ到達。同点の適時三塁打で試合を振り出しに戻した。ジャストミートしたのは、低調時であれば、打ち損じて空振りかファウルになっていた内角高めの速球。外角攻めを見極めた3回の四球を含め、着実に上昇気配を感じさせる打席を重ねた。

大谷の2打点、マンシーのソロ、ベッツの勝ち越し打と、ド軍はわずか4安打ながらすべて打点付きと、効率の良い攻撃と好継投で辛くも逃げ切った。試合後のロバーツ監督は「ショウヘイがいいスタートを切ってくれた」と、大谷の先頭打者弾を評価。「今夜は4安打だったが、それでも勝つに十分な得点を挙げる方法を見つけられた」と、勝負どころでの快打をたたえた。

もっとも、5連勝を手放しで喜べるような状況でもない。今回の遠征4試合では降雨中断の影響もあり、救援陣の負担が激増。28日には調整途上の大谷が先発するため、さらに酷使は避けられそうにない。同監督は、厳しい表情のまま言った。「クリーンな守備を含め、勝つ方法を探すことが最も大事になる」。同日、同地の予想最高気温は31度、湿度71%。折り返し地点を過ぎ、救援陣だけでなく、投げて、打って、走る大谷にとって、より入念な体調管理が重要な季節になってきた。

▼ドジャース大谷が29号。チーム83試合目で29本は、ともに米野球殿堂入りの51年ギル・ホッジスと55年デューク・スナイダーの28本を抜いて、球団最多記録を更新。先頭打者本塁打は今季8本目、通算20本目でシーズン15本ペース。MLBのシーズン記録は昨年シュワバー(フィリーズ)の15本。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 大谷翔平29号先頭弾&三塁打、ロバーツ監督賞賛「ショウヘイがいいスタートを切ってくれた」