ロッキーズ対ドジャース 7回表ドジャース2死、大谷は中越えソロ本塁打を放つ(撮影・滝沢徹郎)

<ロッキーズ1-3ドジャース>◇26日(日本時間27日)◇クアーズフィールド

【デンバー(米コロラド州)26日(日本時間27日)=四竈衛】ドジャース大谷翔平投手(30)がロッキーズ戦に「1番DH」で出場し、2試合ぶりとなる28号ソロを放った。この日は、7月15日(同16日)にトゥルイストパーク(アトランタ)で行われるオールスターにナ・リーグ最高得票で選出され、5年連続で「DH」でのスタメン出場が決定。大谷の貴重な1発もあり、敵地3連戦で「スイープ」したド軍は、貯金を今季最多の「20」に乗せ、同地区2位のパドレスとのゲーム差を6に広げた。さらに独走態勢を固めた。

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前夜の激しい雷雨から一転、澄み切った青空へ高々と上がった打球の落下点を、大谷は納得の表情で見届けた。一塁ベースを蹴る直前まで相棒の黒バットを持つほど、滞空時間の長い1発。二塁ベースを回る際には、貴重な追加点となる28号ソロを放り込んだ右中間の味方ブルペンへ、両手を振り、いつものポーズを決めた。

打席で待ち構えていた大谷の思惑は分からない。だが、狙い済ましてもいい条件はそろっていた。2-1と1点リードで迎えた7回2死走者なし。追加点が欲しい状況で、四球などで出塁する以上に、1発で仕留めるに越したことはない。初対戦となった救援右腕キンリーに対し、初球から2球連続で外角への縦回転のスライダーにタイミングが合わず、空振りを喫した。チェンジアップ、速球のボール球を各1球ずつ見極め、内角へのスライダー2球をファウルでしのいで迎えた7球目。相手バッテリーが選択した最終球のスライダーを読み切ったかのように、フルスイングですくい上げた。角度40度とやや上がりすぎても、飛距離128メートルまで運べば、柵越えするのに十分だった。

24日に続くアーチを、ロバーツ監督は「大きかった。まだ1点リードだったから」と称賛する一方、今後へのプラス材料としても捉えていた。「ここ(デンバー)で2本打ったのは彼にとってもよかった。自信という意味でもさらなるゆとりになるだろう」。同監督にすれば、おそらく深刻に考えていたわけではないだろう。ただ、16日に「二刀流」として復帰した影響なのか、6月は10戦&7戦連続でノーアーチがあった。投打両方のメニューをこなしてきた蓄積疲労を含め、万全な状態ではない印象があったことをうかがわせた。

それでも、周囲からの期待感は変わらない。「投手大谷」の次回登板は28日(同29日)の敵地ロイヤルズ戦に決定。この日発表された球宴のファン投票では、リーグ最多得票で選出され、5年連続でのスタメン出場も決まった。休む間もなく、ハードな日程の中、大谷が無数のフラッシュを浴び続ける日々は、まだまだ終わりそうにない。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 大谷翔平28号「二刀流」復帰後万全でない印象払拭「ここで2本打ったのよかった」ロバーツ監督