【ヤクルト】“2代目”つば九郎が来季中にも誕生、株主総会で球団社長が意向 長い目で後継者育成
“2代目”つば九郎が来年にも誕生する。ヤクルト本社の株主総会が25日、都内ホテルで行われた。林田哲哉球団社長(70)が、担当者の死去に伴い活動休止中のつば九郎を復活させる意向を示した。時期は来季中の見通しで、これから具体的な道筋を決めていく。球団の垣根を越えて、球界から愛される人気マスコットが、再びグラウンドに戻ってくる。
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林田球団社長が言葉を選びつつ、明確に復活の意志を示した。今年2月途中から活動を休止している、つば九郎について「31年間かけて、スタッフとファンの皆さまと育ててきたマスコットであります。今、もう少し検討を重ねて再登場させたいと思っています」と、展望を口にした。
11人の株主による質問のうち、球団関連の内容が9人を占めた。1人の男性株主が「つば九郎はしばらく帰って来られないのは分かっている。ただ、何らかの形で戻してほしい。年を取るごとに成長していったというか、キャラクターの中身も変わっていった。(大企業の)サンリオもできないようなことをやったのが、つば九郎」と熱弁。その思いに、林田球団社長が応えた。
冒頭の発言はリップサービスではなく、真剣に2月に亡くなった担当者の後継を探している。株主総会終了後、同球団社長は「基本的には来シーズンくらいと思ってもらっていいです。作戦に作戦を練って、皆さんが歓喜にあふれるような場面を作っていきたいです」と、復活の青写真を補足。今後、働き方など具体的な方法を詰めていく。「環境もどんどん厳しくなり、熱中症(対策)などルールにそった運用を心がけないといけない」と続けた。
つば九郎は毒舌の中にユーモアが交じる「フリップ芸」や「空中くるりんぱ」などで人気を集めた。94年のデビューから時間をかけて確立した、唯一無二のキャラクター性は、一朝一夕では再現できない。同球団社長は「(担当者の)技術もありますし、継続していかなきゃダメ。最初から非常に高いハードルを設けるのではなく、同じ事ができるようになるまで、何年も時間をかけないとダメだと思う」。球場を「えみふる」(笑みFULL=笑顔がいっぱい)にしてきた人気者。それを支える後継者を長い目で育てていく。【上田悠太】