練習を終え引き揚げる阪神佐藤輝(撮影・前田充)

阪神佐藤輝明内野手(26)が、“大谷流継続”で、球団39年ぶりの本塁打王へ突き進む。雨天のため、甲子園室内で全体練習に参加。フリー打撃は行わず、入念にティー打撃を行った。手に取ったのは、オフの自主トレから愛用する「クリケットバット」だった。

「続けてやっているだけです。ミートポイントもそうですけど、いろんなことを確認しながら。バッティングピッチャーの球より、しっかり確認しながら打てると思って」

羽子板のような特殊な形状だ。真っ平らな表面で、しっかり捉えることができなければ良い打球は飛ばない。ボールを「点」ではなく、「面」で捉えるイメージを習得するために、もってこいの練習だという。

ドジャース大谷も練習の一環として使用するクリケットバット。同じ右投げ左打ちで、かねてから参考にしているスーパースターに学ぶ点は多い。「もちろん。世界一のバッターなんでね」。特に注目しているポイントは「体の使い方」。打席に入る直前に行う素振りのルーティンまで「大谷流」を取り入れている。

「しっかり体を回すイメージ。(体が回る)順番を守って、体を回して後からバットが出るイメージ。(大谷さんと)同じイメージでやれば何か分かるんじゃないかと思って、ずっとそれは自主トレからやっています」

大谷流のスタイルを本格的に取り入れている今季は、甘いボールを逃さない。時には軽打も交え、確実にボールを捉える場面が格段に多くなった。養ってきたミート力の向上がうかがえる。打率は2割7分9厘で、19本塁打&49打点は両リーグトップの2冠。特に本塁打は2位のDeNA牧に6差をつけて38発ペースだ。球団では86年バース以来、日本選手では84年掛布雅之以来となる本塁打王の期待が高まっている。

交流戦は12球団トップの6本塁打でこの日、阪神では22年大山以来2人目のキングが確定した。勲章を自信に27日からのヤクルト3連戦(神宮)へ状態を整える。「いつも通りやるだけです」。球宴まで残り21試合。勢いを止めず、快音を響かせる。【波部俊之介】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】「世界一のバッターなので」佐藤輝明が取り入れる「大谷打法」クリケットバットも使用