大谷翔平の新投球スタイル「どこで練習したんだろう…すごい」元メジャーリーガーも驚く進化
フジテレビ系の人気スポーツ番組「すぽると!」が22日に放送され、二刀流を再開した大谷翔平投手(30)の新投球スタイルを中日OBでメジャーでも活躍した川上憲伸氏(49)が分析した。
大谷は23年9月に行った2度目の右肘手術を乗り越え、16日(日本時間17日)のパドレス戦で663日ぶりに登板。
初回先頭のタティスへの初球、外角側のボールゾーンからストライクゾーンに変化していく「バックドアのシンカー」を投じた。エンゼルス時代から内角に食い込むシンカー(ツーシーム)は投げているため、外角から食い込むシンカーが加わった影響で、シンカーで的を絞らせず両サイドから攻められるようになったという。
川上氏は「内角に来るかもしれない、外角に来るかもしれないっていうところが打者にとって難しい。同じ変化球で外角と内角で両方使えるっていうのはあまりないことです」と効果的な変化球に大きくうなずいた。
さらに川上氏はシンカーの球速にも言及。大谷が投じていた23年のシンカーの平均球速は95マイル(約152キロ)だったが、今季は98マイル(約157キロ)と約5キロ球速がアップ。シンカーの握りはボールの縫い目にぴったりと指がかかるとスピードが出るといい「どちらかの縫い目を外すと、直球と同じ位のスピードは出ない」と説明。大谷のシンカーの握りがアップで表示されると、縫い目に人さし指と中指をぴったりとかけてボールを握っていたため、直球の最速161キロに迫る球速を維持できていると背景を分析した。
高速シンカーのメリットには「空振りを奪うとかじゃなくて、1球で打ち取れること」を挙げた。これまでの大谷は大きく変化するボールのスイーパーやスプリットで空振りを奪っていたが、自然と球数が増えてしまうことで体に負担もかかっていた。
今季からシンカーの割合が増えたことを加味し、川上氏は直球とほとんど同じ球速で変化しバットの芯を外せるシンカーを軸に打たせて取る投球を目指しているのではないかと予想。「どこで練習してたんだろう。本当にすごいと思う」と23年9月の手術を経て、24年は打者専念でMVPを獲得した中で、投手としても進化し続ける大谷に感嘆していた。
大谷は22日(同23日)のナショナルズ戦ではシンカーは1球も投げずにスイーパー、カットボールなどの割合を増やすなど、登板ごとに新たな配球に取り組んでいる。