「シンカーで150キロ中盤って…」大谷翔平の復帰登板を元ドジャース右腕&元巨人監督が徹底分析
元ドジャースの斎藤隆氏(55)と元巨人監督の高橋由伸氏(50)が日本テレビ系で21日に放送された「Going!Sports&News」で、ドジャース大谷翔平投手(30)の663日ぶりの投手復帰戦を分析した。
大谷は16日(日本時間17日)のパドレス戦で先発。最速は100・2マイル(約161キロ)をマークし、シンカー(ツーシーム)や直球はコンスタントに155キロ超えを計測した。投球内容は先頭タティスをポテンヒット、次打者アラエスを中前打で無死一、三塁からマチャドの中犠飛で1失点したが、4番シーツを二ゴロ、5番ボガーツを三ゴロに抑えて1回2安打1失点28球でマウンドを降りた。
斎藤氏は「実際に打たれたなという感覚を僕はほとんど感じなかった。そういう意味では本当に合格点だと思います」と振り返った。
同番組内で紹介されたデータによると、ハードヒットの基準となる打球速度約153キロ以上の当たりは、アラエスに打たれた打球速度約154キロの中前打のみ。先頭タティスのポテンヒットは打球速度約120キロ、マチャドの中犠飛は約136キロ、シーツの二ゴロは約124キロ、ボガーツの三ゴロは約143キロとほとんどの当たりで芯を外していた。
高橋氏は「僕は厳しめの点数で80点。引っかけるボールが多かったそこだけですね」と話した。実際に制球が定まっていない球も見受けられたため、斎藤氏も「コントロールのばらつきは気になりますよね。クオリティーの高い投手と知っているからなおさらそこは思います」と振り返った。
2人は大谷の投球割合の変化にも着目。23年はシンカーを6%とめったに投じていなかったが、今季は29%と変化球ではスイーパーに次ぐ2番目に多い球種となっている。高橋氏は「早いカウントからアウトを取れるボールなので今季は最初から頭にあったんじゃないかな。シンカーで150キロ中盤って真っすぐとそんなに変わらないですね」と説明。斎藤氏もたった3球で打ち取ったボガーツへの三ゴロが理想的なアウトの取り方と絶賛。親指を外側にひねって投げるシンカーは肘への負担が少ないため「球数を減らすということに大きな意味があるのかなと。そういうボールを増やそうとしている」と大谷の意図を分析した。
大谷は22日(同23日)のナショナルズ戦ではシンカーは1球も投げずにスイーパー、カットボールなどの割合を増やすなど、登板ごとに新たな配球に取り組んでいる。