運営する福祉事業の児童発達支援・放課後等デイサービス「グローブ」のスタッフと笑顔を見せるDeNA関根大気(左から2番目)(本人提供)

プロ野球選手としては異例の取り組みを加速させる。DeNA関根大気外野手(29)が運営する福祉事業の児童発達支援・放課後等デイサービス「グローブ」の2施設目が横浜市旭区に新たに開設することになった。

横浜市磯子区内の1施設目では、現役プロ野球選手ながら「運営責任者」という立場で携わる。時には同施設を訪問して、子どもたちと直接かかわりながら、二足のわらじをこなしてきた。関根は「グローブを立ち上げたことで、僕は子どもたちの『できた!』という瞬間に立ち会う機会を得ました。その喜びと感動は、言葉では言い表せないほど大きなものでした。そして、その『できた!』に至るまでに、寄り添い続けたスタッフの姿、根気強く支援を重ねてくれた療育の過程を思うと、胸が熱くなり、感謝の気持ちでいっぱいになりました」と充実感をにじませた。

しかしその一方で、課題も見えてきた。もっと環境を良くしていけるのではないか。「僕は今の環境が、まだスタッフ1人ひとりにとって『幸せ』や『豊かさ』を十分に感じられるものにはなっていないことにも気づかされました。それは経営者として、真正面から向き合わなければならない課題です。グローブスタッフらの毎日の努力に応え、心から『ここで働けてよかった』と思える環境を築いていく責任が、僕にはあると感じています」と新たな1歩の必要性を感じていた。

その1歩として、2施設目を今年の10月に開設予定。対象は2歳から18歳、送迎範囲は15分圏内で、営業日は火曜から土曜となる。土曜日の需要も意識した土曜営業も実施することにした。「これまで手が届かなかった課題にも取り組み、子どもたちへの支援の質をさらに高めると同時に、スタッフがやりがいや安心を実感できる職場づくりを進めていきたいと考えています」と言葉に力を込めた。

「ご縁をいただいた子どもたちの“これから”に本気で向き合う。遊びや学び、毎日の関わりの中で、その子の“まだ見ぬ可能性”が花開く瞬間をともにつくっていきます」というテーマを掲げる同施設。あわせてオープニングメンバーとして、児童発達支援管理責任者、保育士資格、児童指導員資格を持ち、発達支援に関心がある方などを随時募集し、ともに施設をつくり上げていく。

関根は「これからも『できた!』という子どもたちの喜びの瞬間をもっと増やしていけるように。そして、ここで働く選択をしてくださったスタッフ皆さんがより豊かな人生を歩めるように。僕はこの事業を通して、子どもたち、スタッフ、地域社会に対して、自分にできることを続けていきたいです」と活動の幅をさらに広げていく。

もちろん、本業の野球をおろそかにするわけではない。プロ12年目の今季、1軍出場は1試合とファームで若手選手とともにもがく日々が続く。「今できることに集中して、1軍で活躍するために全力で取り組んでいきます」と思い描く。関根の挑戦はまだまだ始まったばかりだ。

◆問い合わせ先 info@glove-globe.com

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【DeNA】異例の取り組み加速 関根大気「できることを続けていきたい」事業の2施設目開設へ