【南北海道】昨秋部員1人の札幌あすかぜが健闘 指揮官は北照で甲子園8度出場の河上敬也監督
<高校野球南北海道大会札幌地区予選:北広島10-3札幌あすかぜ>◇23日◇1回戦◇札幌円山
2年ぶりに単独チームで出場したベンチ入り9人の札幌あすかぜが、初回に3点を先制するなど健闘した。3年生1人、2年生1人、1年生7人のナインは、昨春から指揮を執る元北照の河上敬也監督(66)のもと、秋以降へつながる大きな一歩を踏み出した。
9人で戦った札幌あすかぜが、さわやかな風を札幌円山に吹かせた。北照を春夏8度甲子園に導いた河上監督は昨年4月から指揮を執る。「選手たちや私やコーチ陣も、やればできるんだという自信になりました」。コールド負けにも手応えを口にした。
思いは初回に集約された。1回2死一、二塁で5番の主将・長岡宏紀外野手(3年)が先制の中前適時打。続く荒川亮二外野手(2年)も中前適時打で続いて3点を奪った。
昨秋は部員が荒川たった1人で大会不参加。危機的な状況だったが、今年4月に7人の新入生が入部した。さらに1年夏に退部していた長岡が監督に請われて復帰。長岡は「辞めたことに悔いがあって、すごい監督のもとで悔いなく終わりたかった」。今春は札幌北斗との合同チームでの出場だったが、最後の夏に念願の単独チームとしてグラウンドに立った。
春からは河上監督を慕う北照OB13人がコーチとして指導に入り、キャッチボールもおぼつかなかった選手が、わずか2カ月で急成長を見せた。2安打1打点の長岡は「最初は球に当たらなかった。監督が直接教えてくださって打てるようになりました」。1人になったときには退部を直訴した荒川も「監督が引き留めてくださって、コーチも丁寧に教えてくれた結果が、今回のヒットにつながりました」と感慨深げだ。
単独チームで刻んだかけがえなき3得点。秋以降の公式戦1勝を目指し、名将のもとさらなる成長を続ける。