大谷翔平、移籍後初の二刀流弾で日米300号王手!投げては1回無安打2K「前回よりリラックス」
【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)22日(日本時間23日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(30)が、移籍後初の二刀流アーチを放った。ナショナルズ戦に「1番DH兼投手」で出場し、右肘の手術から復帰後2度目の先発マウンドで1回無安打無失点。球数18球で、2奪三振をマークした。打者では4打数2安打5打点で大勝に貢献。第4打席で3点適時三塁打、さらに第5打席では8試合ぶりとなる26号2ランを放ち、日米通算300号に王手をかけた。
◇ ◇ ◇
二刀流パワーを全開にするギアがかかった。大谷は8回1死一塁、ラトレッジの外角直球を捉えた。濁音が交じったような、明らかに芯を外れた打球音。バットの先なら失速するが、角度37度で上がった打球は伸びた。リプレー検証で二塁打の判定が覆り、26号2ラン。左中間最深部のフェンスをギリギリで越え、8試合ぶりのアーチでチームの勢いを加速させた。
16日のパドレス戦に続き、投打のリアル二刀流で2試合連続マルチ安打をマーク。それでも、試合後は「最初、2打席とも相手の投手も素晴らしかったですし、なかなか自分のアプローチの打席を送れなかったので、そこは少し反省点かなと思います」と課題を口にした。第1打席から2打席連続三振を喫し、「イメージのズレで言うと、自分が打ちにいっている球が空振り、またはファウルになっているっていうところ」と決して本調子ではないが、第3打席で四球から出塁。第4打席では右翼線に3点適時三塁打を放ち、徐々に内容と結果を改善した。
それを、投手をやりながら出来るのが驚異的だ。先発マウンドに上がり、1回を無安打無失点。「前回よりはリラックスして、全体的に投げられた」と、縦変化のスライダーで3番ガルシア、4番ローを連続三振に打ち取った。この日は、デーゲームで日差しも強かった。度々、汗をユニホームでぬぐいながら打席に入るなど、二刀流ならではの慌ただしさもあった序盤。週初めに右太ももと右広背筋あたりに死球を受け、打撲でまだあざが痛々しく残る。その状態で、試合終盤に全速力の三塁打と逆方向への本塁打で5打点。底なしエネルギーの本領が発揮された。
もっとも、投げて、打つのが本来のバイオリズムでもある。二刀流でのプレーについて「単純にうれしいですし、まだ1イニングですけど、徐々に増やしていければ。5回以上投げられるようになって初めてスターター(先発投手)かなと思うので。後退しないように、少しずつでも前進していければいい」と冷静に語った。当面は週に1度、徐々に球数とイニング数を増やしていく見込み。完全なる二刀流復活へ-。また1歩、着実に、前に進んだ。
▼大谷が先発登板し、本塁打を放った。登板試合での本塁打はエンゼルス時代の23年8月23日レッズ戦以来、通算12度目(13本目)。1試合5打点以上は5月15日アスレチックス戦(6打点)以来、大リーグ通算6度目。登板試合の打点では23年5月15日オリオールズ戦の3打点を上回る自己最多となった。