自己最速150キロをマークするまで調子を上げてきた西武浜屋(撮影・金子真仁)

野球ゲームじゃなくても“突然変異”はある。西武の育成左腕、背番号111の浜屋将太投手(26)が自己最速となる150キロを投げたことが23日までに判明した。

「2軍で2球、ですね。それまではだいぶ前のことですけど、149キロが自己最速でした」と自身も少々驚いている。

19年のドラフト2位左腕も左足を手術し「年々、球速が遅くなってしまって」と、昨季は直球が130キロ台にとどまる登板も。オフに戦力外通告を受け、今季は背水の育成契約となった。ところが「4月下旬くらいから147、148キロが出るようになって」と明らかな変化があった。

もともと軸足となる左足が柔らかく「投球時に一塁側に流れて力をロスしやすかった」という。周囲のアドバイスも受けながら悪癖を矯正。この春に安定しだし球速が高まったという。

22日のイースタン・ロッテ戦(カーミニークフィールド)では完封ペースの松本がつかまった8回2死満塁、左打者の宮崎を迎えたところでマウンドへ。併殺を狙った捕手是沢の「要求通りのコースでした」という135キロカットボールで、見事に1球で併殺を奪い火消しに成功。「3軍でもこういう場面が多かったので」と成功を喜んだ。

背水のプロ6年目にようやく光が差した。酷暑に向け、リリーフ陣には人手が必要。かつ同じ左腕の佐藤隼が好調に戻らなければ、トミー・ジョン手術のリハビリを終えた佐々木が支配下登録されたとはいえサウスポー需要は十分にある。

支配下選手枠は残り4。現在は脇腹部の違和感で3試合連続で欠場中ながら、37試合で8本塁打32打点の仲三河優太外野手(22)が“昇格”に近づく勢いだ。浜屋もその争いに入れる球威が戻ってきた。「(7月末の登録期限まで)あと1カ月くらいしかないですけど、もっとアピールしていければ」と気合を込めた。【金子真仁】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【西武】育成左腕「元ドラ2」浜屋将太がプロ6年目で自己最速 仲三河らとの支配下登録争いへ