新潟樹森大介監督=25年4月

アルビレックス新潟が23日、今季就任した樹森大介監督(47)の退任を発表した。後任は入江徹コーチ(47)が内部昇格し、指揮を執る。新潟は20試合を終えて4勝7分け9敗の勝ち点19で、J2降格圏の18位に沈んでいる。

「新潟じゃなければ監督のオファーは断っていた」。就任会見でそう話した樹森監督だったが、完成形を見せることなくチームを去ることになった。

新潟は堅守速攻がトレンドとなるリーグの中で、GKから丁寧にパスをつないで前進する独自スタイルをJ2時代の20年から構築する。「これまで築き上げた新潟のスタイルを継承し、さらに成長させたい」。樹森前監督は開幕前のキャンプで従来のポゼッションスタイルに、よりゴールに迫る時間短縮を選手に要求。守備では前線の選手が激しくボールに奪いに行くハイプレスを浸透させた。

今季開幕の横浜F・マリノス戦では攻守両面で狙っていた形が機能。1-1ドローに終わったが、ハイプレスを仕掛けてボールを回収し、次々とゴールに襲いかかった。

しかし、その後の試合ではハイプレスの機能が低下。勝てないことでボールにアタックに行くところと行かないところのメリハリがなくなり、角度もあいまいになり、守備が崩壊。リズムよくパスをつないで敵陣に襲いかかる攻撃スタイルも影を潜めていった。

クラブの人選も後手に回った。昨季終盤に松橋力蔵前監督(56)に契約延長のオファーを提示。留意に努めたが、契約満了でFC東京の指揮官に就任。その後、後任探しに苦戦した。各チームが新指揮官を続々と発表する中、25年シーズンに向けてJ2水戸とコーチ契約更新にサインをしていた樹森元監督に頭を下げ、24年12月18日に新規契約を発表。同27日には高知をJFLからJ3に初昇格させた吉本岳史前監督(47)をヘッドコーチに招聘(しょうへい)した。

J1未経験の監督のもと新スタッフをそろえたが、新しい風を吹かせることはできなかった。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【新潟】樹森大介監督が退任 後任は入江徹コーチ J初采配もわずか4勝でJ2降格圏に沈む