【ロッテ】影のヒーローは田村龍弘!6回から3投手リードし1点差守る「常にベンチで感じて考えて」
<日本生命セ・パ交流戦:DeNA9-10ロッテ>◇22日◇横浜
僅差の勝利に影のヒーローがいた。ロッテ田村龍弘捕手(31)は10-9の6回からマスクをかぶると、横山、鈴木、中森と3投手を的確にリード。苦戦が続いたDeNA打線を無安打に封じて1点のリードを守り切り、灼熱(しゃくねつ)の乱打戦を勝利に導いた。
先発マスクの寺地は守備でのミスから追加点を許し、試合は緊迫の展開に。それでも田村は慌てなかった。「先発で出ていなくても、試合に出ているつもりで準備している。常にベンチで感じて、考えておかないとダメなんです」。ベンチからも投手の状態や打者の傾向を細かく分析。どんな状況でも即座に試合に入れるように備えていた。
今季は正捕手の座を19歳の寺地に譲る形となっているが、若手のミスも支え、鼓舞する。「負けていられないですけど『尻拭いしてあげるよ』って、いつも言ってます」とベテランらしい包容力を見せる。
出場機会が限られる中でも与えられた役割に責任を持って全うする姿勢が、若い捕手陣の支えだ。「バックアップという立場ですけど、こうやって途中から出たときにしっかり貢献して、信頼されるように頑張りたい」。ピンチを救った田村のリードはチームにとって何よりの安心材料。勝利の影に、頼れるベテランの存在があった。【星夏穂】