【阪神】交流戦6発の佐藤輝明 バース以来「本塁打王」へ、レジェンドお墨付きに「頑張りたい」
<日本生命セ・パ交流戦:阪神1-3ソフトバンク>◇22日◇甲子園
俺もVの使者になる! 阪神佐藤輝明内野手(26)が唯一の得点につながる二塁打で「日本生命セ・パ交流戦」を締めた。12球団暫定トップの6本塁打と、セ・リーグ最強打者の力を見せつけた。この日は球団創設90周年企画「Tigers Legends Day」の第3回で、同じ左打ちの4番打者だった伝説的OB金本知憲氏(57)が来場。本塁打王のお墨付きももらい、スラッガー道の継承を胸に刻んだ。阪神は8勝10敗で交流戦を終えた。
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痛烈なライナーが左翼線寄りの芝生にはずんだ。左打者ながら、右打席から引っ張ったかのような強い当たり。何度も虎党に夢を見せたレジェンド金本氏の猛打と、どこか重なった。
4回2死一塁。松本晴の高め149キロを打ち返した。差し込まれ気味に見えたが、打球に勢いがあった。左翼手・石塚はバウンドを見誤って後逸。森下が一気に生還した。失策がついたため、リーグ単独トップ「50打点」はお預けになったが、セ首位チームの4番打者として意地は示した。交流戦は現状最多の6本塁打。「プラスに捉えたいですね」。5本のロッテ山本が1試合残すが、単独トップで交流戦を終えた。
今季3度目のレジェンズデー。試合前、勇ましいタテジマ姿と応援歌に虎党はしびれていた。真弓氏に続いて、矢野氏、そして金本氏がグラウンドに呼び込まれた。当時の応援歌が演奏され、3氏のインタビューが行われた。
金本氏は「40本と言わず、45くらいはいく能力は持っているから」と4番の後継者にエールを送った。右翼方向は逆風となる甲子園の「浜風」に恨み節を言うこともあったが、今季は中堅から左への本塁打が急増。05年に40本塁打した金本氏も無理に引っ張らないことが肝要と助言した。
「センター方向を狙っていけば、割と浜風に乗ることが多いから。今年はちょっとコツをつかんだのかなという印象ですね。森下も成長して、2人は本当、3年後が楽しみ。(タイトルは)可能性あると思う」。阪神では86年バース以来、39年ぶりの本塁打王にもお墨付き。佐藤輝は「頑張りたいですね」と大先輩からの激励を感謝した。この日は母晶子さんの誕生日。勝利は届けられなかったが、印象的な一打でグラウンドから感謝を伝えた。
5度目の交流戦を終えた。札幌や所沢、仙台への移動もこなした。「移動とかやっぱり大変だったので。ちょっと間があるので、しっかり休みを取って。休む時は休んで、また神宮から頑張りたい」。リーグ戦再開は27日のヤクルト戦(神宮)から。鉄人と呼ばれた金本氏は休まず打ちまくり、2度の優勝に導いた。4番を受け継ぐ男も力強く猛虎打線をけん引する。【柏原誠】