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<都市対抗第2次予選東北大会:JR盛岡3-2エフコムBC>◇21日◇第2代表1回戦◇宮城・石巻市民球場

第2代表の枠を懸けた戦いが幕を開けた。JR盛岡が、エフコムBCとの接戦を3-2で制した。1-1の2回2死一、二塁の好機。新人の長谷川光二内野手(22=青森大)の右越え2点適時二塁打で勝ち越しに成功。その後、再三ピンチを招くも、1点差で逃げ切った。3連戦中のB-net/yamagataは、弘前アレッズを7-3で下した。両チームは22日の2回戦で激突する。

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期待のホープが本戦出場への望みをつないだ。JR盛岡の長谷川が、勝ち越しの適時二塁打。外の直球を捉えた当たりは右翼手の頭を越えた。「思ったより伸びてくれました」と笑顔。平日の勤務をこなし、この日、チームに合流したばかり。2日前の第1代表初戦でマルハン北日本カンパニーに1-3で負けた時には、速報を確認しながら「とにかく早く試合に出たくて…」とうずうずしていた。

ハードスケジュールも何のその。4時間睡眠でこの日を迎えた。前日までは福島・白河市内にある研修センターで新人研修に参加。業務を終え、新幹線で盛岡市内の寮に一度、戻った。その後、仙台市内の実家に車で向かい、布団に入ったのは午前1時半だった。数時間で約570キロの大移動。それでも「やっぱり楽しいですし、夢中になれるので」と、疲労より“野球熱”が勝った。

「良い意味で空気を読めない選手になります」と、本気で都市対抗大会が開催される東京ドームを目指している。チームは一般社員と野球部員の隔てはなく、宿直勤務を伴うことも。休日も部署によって違うため、練習で全員がそろうことはめったにない。競技専念の企業チームがある中、予選突破は難しいが「仕事を言い訳には絶対にしたくない」と、強気だ。

予選敗退が当たり前になりつつある現状に「どこかで変えないといけない」と、危機感を募らせる。大学時代に抱いていた「野球好きな大人が集まるチーム」というJR盛岡のイメージを、自ら変えるために入部した。「本気で都市対抗を狙っていますし、良い意味で空気を読まずに盛り上げていきたいです」と口にした。やるからには大舞台へ。ルーキーは、あらたな歴史を築くつもりだ。【木村有優】

○…最後は新人が無失点で締めくくった。第1代表初戦の先発から中1日の金野真尋(まひろ)投手(23=富士大)が、9回に登板し、1点リードを守り切った。「疲れがないと言ったらうそになりますけど、ケアをしっかりしたので対応できました」。富士大の同期は、現オリックス麦谷など、6人がプロ入りした最強世代。金野は大半をBチームで過ごしたが「くさらずにやってきて良かったです」。新天地で喜びをかみしめながらマウンドに立っている。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 JR盛岡が接戦制す 新人の長谷川光二が決勝打「良い意味で空気を読まずに盛り上げていきたい」