横浜アンデルソンロペス=25年3月

<明治安田J1:横浜0-1岡山>◇21日◇第21節◇日産スタジアム

クラブ史上初となる同一シーズン2度目の監督解任に踏み切った最下位の横浜が、ホームで岡山に0-1で敗れた。キスノーボ監督の後任として暫定指揮を執る大島秀夫ヘッドコーチ(HC=45)は、今季初めてアンデルソンロペス、ヤンマテウス、エウベルのブラジル人3トップを先発起用したが、シュート17本と攻めながら1点が遠かった。天皇杯2回戦のラインメール青森戦、前節新潟戦に続く公式戦3連敗となった。

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1点を追って最後まで攻め続けた。マリノスらしい攻撃的なスタイルで、サポーターを久しぶりに熱くさせた。大島HCが掲げる「ノビノビとアグレッシブにポジティブにプレー」。その姿勢を見せた。それだけに勝たなければいけなかった。Aロペスは下を向き、首を振って引き揚げた。

ただ、HC本人は前向きにとらえた。「自分たちがやろうとした姿勢を見せられたことは次につながる。点を取れなかったところは受けとめて、次に向かいたい」。3トップ起用の理由を問われると「持っている彼らの力、日々の質から、この3人が点を取れると思った。多くのいい形をつくってくれた」と評価した。

ブラジル人トリオは、マリノスのDNAともいうべき攻撃サッカーの象徴だった。だがホーランド監督、キスノーボ監督と続いた今季リーグ戦19試合、3人が1度たりとも並び立つことはなかった。昨季取りこぼしの要因となった失点数を減らすべく、守備的チームにかじを切った。そのあおりを食った。それが2度目の監督交代により大島HCが暫定指揮へ。良き理解者の下、自分たちの価値をも取り戻すべく一戦だった。

前半17分、CKから先制点を許した。しかし引くことなく前へ出た。Yマテウスは前半24分、後半19分と2度もシュートが左ポストを直撃した。エウベルは前半32分、飛び出してきた相手GKにつぶされた。エリア外での決定機阻止で退場の可能性もあり、VARチェックが介入したが判定は変わらなかった。ロペスは何度もゴール前へ飛び込み、後半17分には右クロスから決定的なシュートも放った。1点だけが遠かった。

不運があったとはいえ、敗北を喫した。それでもAロペスの表情はすっきりしていた。「リスクを負って攻めることが自分たちのスタイル。今日が新たなスタートになった。このサッカーをやり続ければJ1に必ず残留できる」。2年連続得点王のプライドにかけ、逆襲を誓った。【佐藤隆志】

▽岡山木山監督(4試合ぶりの勝利に)「立ち上がりからしっかりプレスをかけられた。後半は横浜のギアが上がったが、最後までゼロで終われて良かった。走ることと(攻守の)切り替えと、球際の闘争心と、自分たちのベースを出せた」

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【横浜】2度目の監督解任実らず敗戦も…シュート17本の攻撃にAロペス「続ければ残留できる」