町田対鹿島 勝利が決まり抱き合って喜ぶ町田イレブン(撮影・水谷安孝)

<明治安田J1:町田2-1鹿島>◇第21節◇21日◇Gスタ

9位FC町田ゼルビアが首位鹿島アントラーズを2-1で破った。前半6分にFW相馬勇紀(28)が先制点を奪うと、同34分にDF岡村大八(28)が追加点を決めた。後半40分にPKによる失点で1点差とされたが、2カ月ぶりに先発復帰したDF菊池流帆(28)らが堅守を見せ、ホーム通算100勝を達成。ホーム史上最多となる1万3828人の観衆の前で今季2度目の連勝を飾り、上位浮上へ価値ある1勝を手にした。

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町田が全員サッカーを貫いた。序盤から積極的な攻撃を展開。前半6分にスルーパスを受けたFW相馬が左足を振り抜くと、開始早々に先制点を奪った。「試合に入る時から、全員が気持ちが入っていた」。同34分にはDF岡村が頭で合わせて追加点。後半にPKで失点したものの、前半のリードを守り切った。チームカラーの青色に染まったスタンドが大きく揺れる。黒田剛監督(55)も「最後まで粘り強く戦ってくれた。選手たちの頑張りに称賛を与えたい」とうなずいた。

粘り強さは、ディフェンス陣の奮闘がもたらした。ひときわDF菊池が燃えていた。4月9日のルヴァン杯2回戦以来、約2カ月ぶりの先発復帰戦。開始前のミーティングで指揮官から「お前が盛り上げろ」と名指しで指令を受けた。青森山田高で師事し、進路は同じ大阪体育大という、黒田監督直系の愛弟子。「勝つ自信しかない」と気合十分だった。今季12ゴールで得点ランク1位のレオセアラや鈴木らを擁する相手FW陣に対して「最後まで体を張ろう」と立ち向かった。

後半40分に1点差に迫られた時も「全員でハードワークをして乗り切ろう」と声をかけ合った。ボール保持率では41%と下回りながら、最後まで隙を与えず。シュート数も自分たちより3本少ない、9本にとどめた。「これまでは最後の10分で追いつかれたり、逆転されたりしていた。今日は町田にとって大きな1歩だった」と手応えを示した。

これでチームは前節湘南戦から勝ち点6。3月の3連勝以来、今季2度目の連勝を、ホーム最多を更新する1万3828人の前で飾った。首位倒で上位浮上へ弾みをつけた菊池は「後半は全勝するつもりでやっている」ときっぱり。昨季3位と躍進した町田が、本来の粘り強いサッカーを取り戻している。【藤塚大輔】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【町田】堅守見せホーム通算100勝 2カ月ぶり先発復帰のDF菊池流帆「全員でハードワーク」