【西東京】都立唯一のシード校・府中東、目標は「神宮で野球をする」順当なら準々決勝で憧れ舞台
<高校野球練習試合:藤沢清流3-2府中東>◇21日◇府中東高グラウンド
唯一の都立の星は今夏もミラクル再現となるか。西東京大会第4シードと都立校唯一のシード校となった府中東が、藤沢清流(神奈川)と練習試合を行った。結果は2-3で惜敗となったが、投手陣中心の「守り勝つ野球」で得意のロースコアゲームを披露した。
先発のエース右腕・池田亮大投手(3年)は6回2安打2失点。3回に二ゴロ、4回には右犠飛で2点を失ったが、スライダーと2種類のカーブを中心にカウントを稼ぎ、6奪三振と好投した。春から課題だったという変化球の制球もさえ、「今日をいいきっかけにできる投球ができた」と手応えを口にした。
昨夏の西東京大会では4回戦まで勝ち進み、強豪の日大二と2-4の好ゲームを繰り広げた公立校。4月の春季東京大会3回戦では昨夏8強の早大学院と対戦し、1-2の6回に原佳吾(3年)の2点適時二塁打で逆転。守っては、背番号5の先発右腕、斎藤拓真投手兼内野手(3年)が3回以降は失点を許さず、4安打2失点の完投した。
現3年生13人の多くは軟式野球出身で、全国や上位大会など輝かしい成績を残した者はいないという。
勝利の立役者の1人、斎藤も「高校野球で勝ち進みたい気持ちが強くなって府中東を選んだ」。平日2時間の短時間練習でも、チームは月3回程度、元阪神投手の山本幸正氏に指導を受けるなど徐々に力をつけてきた。2012年の第3シード以来、13年ぶりのシード獲得の結果には「いい方向につながったと思う」と斎藤も実感を込める。
ナインが異口同音に言うのは「神宮で野球をすること」。順当に勝ち進めば、7月24日の準々決勝となる。主将の北村快音内野手(3年)は「シード校のプレッシャーは正直ある。みんな倒しに来るけど、唯一の都立校として頑張りたい」と意気込んだ。【泉光太郎】