阪神対ソフトバンク 8回表、ベンチからグラウンドを見つめる小久保監督(撮影・加藤哉)

<日本生命セ・パ交流戦:阪神3-0ソフトバンク>◇21日◇甲子園

ソフトバンクが「日本生命セ・パ交流戦」の阪神戦で今季4度目の完封負けを喫し、交流戦優勝は22日の最終日に持ち越しとなった。22年オフの現役ドラフトで阪神に移籍した大竹耕太郎投手(29)に6回途中無失点と好投されて12球団勝利を献上。パ・リーグ首位の日本ハムに「ひとり勝ち」と交流戦優勝の可能性を与えてしまった。ラストゲームで阪神に引き分け以上なら自力で優勝が決まる。「6・22決戦」は勝って締める。

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阪神に敗れ、甲子園球場から鷹ナインを乗せたチームバスが発車する直前に日本ハムが勝利した。その瞬間に交流戦の優勝が22日に持ち越し。“タイトル”は日本ハムとの一騎打ちになった。最終戦で引き分け以上なら、ソフトバンクの優勝が自力で確定。負けても6年ぶり9度目の勝率1位の可能性がある。

元ホークス戦士にやられた。22年オフに現役ドラフトで阪神に移籍した大竹の前に6回途中無得点。緩急をつけられ、無四死球と抜群のコントロールにも手を焼いた。小久保裕紀監督(53)は「対策は練ったけど、結局はうまく打たされましたね」と脱帽。4人のリリーフ陣にも抑えられて今季4度目の完封負けを喫した。「(セの)首位のチームですから。勝ちパターンでそう逆転は難しい」。淡々と振り返り敗戦を受け止めた。

痛い黒星だ。交流戦優勝がお預けになっただけではなく、日本ハムにパ「ひとり勝ち」と交流戦優勝の可能性を与えてしまった。わずか0・5ゲーム差。リーグ戦では首位にいる日本ハムと4ゲーム差が開いてしまった。

小久保監督は「交流戦の優勝よりもカード勝ち越しをしっかりやりたい」。あくまで3連戦の勝ち越しを目指して22日の阪神戦を戦う。結果的にカード勝ち越しならば交流戦優勝。しかし、そのために左足のかかとを痛めている近藤を5試合ぶりに出場させる予定はない。指揮官は近藤について「明日も使わないです。目標はレギュラーシーズンの優勝なので」と明言。長期離脱を避けるために大事を取って休ませる予定だ。

近藤が欠場してからは2勝2敗。交流戦のラストゲームでチームの底力が試される。首位打者の柳町を中心に勝利で締めたい。【只松憲】

◆交流戦優勝の行方 優勝の可能性はソフトバンク、日本ハムの2球団に絞られた。首位ソフトバンクは○か△で優勝。●でも日本ハムが●なら決まる。日本ハムは○で、ソフトバンクが●の場合に逆転V。ソフトバンク●、日本ハム△の時は勝率で並び、得失点率差(TQB)で優勝を決める。「TQB」はトータル・クオリティー・バランスの略。1イニング平均得点から1イニング平均失点を引き、小数点第3位まで出す。計算式は(得点÷攻撃イニング)-(失点÷守備イニング)。21日試合終了時点の得失点率差は、ソフトバンクが+・238、日本ハム+・121。日本ハムより得点が多く失点も少ないソフトバンクが、この場合は有利になる。なお、優勝するとソフトバンクは6年ぶり9度目、日本ハムは18年ぶり2度目になる。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【ソフトバンク】近藤健介欠場予定も勝って締める!交流戦Vへラスト「6・22決戦」○か△で自力