大谷翔平また報復死球も同僚制し和やかムード 先発登板影響にロバーツ監督「うまく避けたから」
<ドジャース3-5パドレス>◇19日(日本時間20日)◇ドジャースタジアム
【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)19日(日本時間20日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(30)が、再び報復死球を受けた。パドレス戦に「1番DH」で出場し、4打数1安打。9回裏の攻撃で、守護神スアレスから右広背筋付近に99・8マイル(約160・6キロ)の直球を当てられた。9回表にパ軍の1番タティスが右手首付近に死球を受け、負傷交代。その報復とみられる。17日の試合に続き3日間で2度“暗黙の仕返し”を受ける異常事態。今4連戦は両軍計8死球をぶつけ合った。
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大谷が、三塁側ベンチから飛びだそうとする同僚たちを制止した。9回2死三塁、パ軍の守護神スアレスから99・8マイル(約160・6キロ)直球を右広背筋付近に受け、緊張が高まった。大谷は左手を振って、出てこなくていいとジェスチャー。審判団による協議中には一塁ベース付近でパ軍の一塁手アラエスや二塁手クロネンワースらと談笑。和やかムードを作った。
ロバーツ監督は試合後、大谷への死球が意図的だったかについて「もちろんだ。意図があった」と断言。機構(MLB)による調査が必要と訴えた。スアレスの死球は今季初。過去、通算168試合登板でわずか4死球(右打者2、左打者2)だ。制球力の高い右腕が、カウント3-0から左打者の体に向かって大暴投は考えにくい。9回表にパ軍タティスへの死球を巡って両監督が退場。警告試合となったにもかかわらず、報復とみられる行為でスアレスは即退場となった。
故意か、否か。双方とも言い分はあるだろうが、その争いに価値があるとは思えない。死球の応酬により、仮に選手が長期離脱となれば元も子もない。実際にタティスは今後、再検査を受けるという。大谷は17日にも右太もも裏に死球を受けた。上半身と下半身にあざが残っても、遺恨を残す小競り合いはもう必要ない。制止ジェスチャーは、野球での対決を求めるメッセージだったに違いない。
二刀流の大谷は22日(同23日)のナショナルズ戦で、手術後2度目の先発登板を予定する。ロバーツ監督は投球への影響について「うまく避けたから、大丈夫だろう」と語った。4連戦は最後にパ軍が一矢報いたが、いずれにしても、不要なバトルでスター選手同士の対決が見られなくなることは、誰も望んでいない。
○…先発した山本は6回1/3を投げ、7安打3失点で今季6敗目を喫した。2回、ボガーツにスプリットを捉えられ、先制本塁打を浴びると、5回、7回に追加点を献上。7回途中、100球で交代となった。4戦連続で白星なしも、この日は無四球で終え「前回に比べていい投球はすごく多かったと思いますし、先制点を許したり、反省するところはたくさんありますけど、前回と比べると良かった」と振り返った。