【東京V】城福監督「そこが我々の生命線」昨年の倍“ペナ被進入率”下げることが勝利への第一歩
東京ヴェルディの城福浩監督(64)が19日、東京・稲城市のクラブハウスで次節のセレッソ大阪戦(21日、ヨドコウ)に向けたメディア取材に応じ、チームが大事にする“ゴールから遠ざける守り方”の意義を説いた。
C大阪はリーグ最多の32得点、同じく最多の28失点という出入りが大きいチーム。FW北野颯太がザルツブルクへ移籍してなお、ルーカス・フェルナンデス、アンドラーデ、ハットン、ブエノというブラジル人カルテットら攻撃の駒は事欠かない。中島元彦、本間至恩が控えに回るほどの厚さだ。
城福監督は「個のスキルの高さは我々が対戦した中で3本に入る。前線に4人の外国籍の選手がいて、ランニングではがせるスピードがあって、オフザボールの動きも巧みで、そこにパスを供給できる選手がいる。足もともあるし、裏もあるという非常にやっかいな攻撃をする」と説明した。中でも「駆け引きが非常にうまい」と注意するのがハットンだ。「クロスの入り方も巧みというか、クロスだけでなく足もとでもらうときもそう、オンザボールだけケアしてもいけないし、チームとしてそこはコンパクトに意識しながらやらなければ」と印象を語った。
東京Vは前節、ホームで柏に0-3と完敗を喫した。城福監督にとっては、クラブ歴代最多となる121試合目の指揮となった一戦だったが、大きな課題を残した。データによると、ペナルティーエリア(ボックス)被進入率は昨年の平均と比較すると倍にもなっているという。さっそくチーム内で共有し、ボックスから遠ざける守り方の徹底に取りかかった。
「そこが我々の生命線。DFラインだけでなく全体の意識の高い守備があって初めてボックスの中に入らせないということがなしえる。その生命線のところが崩れていたというのが一番の反省点」と話した。
つまるところは守備を徹底し、合言葉とする“いい守備からいい攻撃”につなげられるか。
「1トップがさぼっても、シャドーがさぼっても進入される。最終ラインが横ずれしなくてもされるし、ボックスアウトをちょっとでもさぼると進入される。全員ができるだけゴール前に入れさせないようなプレーをしないと。ゴール前で仕事ができるからこそ(ブラジル籍選手たちは)セレッソに招聘(しょうへい)されている。我々はそこに対策しないといけない」
6月の公式戦は、YBCルヴァンカップの2試合含め柏に3連敗するなど停滞気味だ。14位から順位を下げないため、勝ち点を伸ばすためにも、ボックス被進入率を下げることから始める。