【イラスト】第105回天皇杯サッカー2回戦以降の勝ち上がり

<天皇杯:東京3-1金沢>◇2回戦◇18日◇味スタ

FC東京がJ3ツエーゲン金沢を3-1で破り、3回戦に駒を進めた。次は7月16日にJ2大分トリニータと対戦する。

誰もが待ち望んだ男が復帰した。東京DFバングーナガンデ佳史扶(23)。383日ぶりとなる公式戦の舞台に戻ってきた。

「プレッシャーや緊張が少しあったんですけど、絶対に勝ちたいというところがチームとしても個人としても目標だったので本当にそこに全部フォーカスしてピッチに立って戦った。最低限の結果を得られたので良かったなと思っています」

昨年6月にU-23日本代表として臨んだ米国遠征で負傷。何度も合流直前まで回復するも再発を繰り返し、1年以上ユニホームを着てプレーできなかった。

「本当にいつ治るのか分からないようなけがだったので、1日1日が自分の中で試行錯誤の連続で、本当に1日1日考えることだったり、いろいろやることが多くて、今1年たってみれば感覚的にはあっという間だったなという感じです」

当初は2~3週で復帰できるものだと思っていた。それがここまで長引いた。特に昨年は「自分との向き合い方が難しかった」と振り返る。人生でもここまで長い期間サッカーができないのは初めてだった。「なかなか強くなりましたね」。

松橋力蔵監督も「佳史扶の顔を見たときにちょっとぐっとくるものがあった」。この日、同じ左サイドで縦関係だった2得点のFW佐藤恵允(23)はパリ世代で23年にU-23アルゼンチン代表戦でもタッグを組んだ盟友。「佳史扶の復帰戦で勝てたのは自分自身すごくうれしいです。チームとしてもすごい大きな成果」とうなずいた。

バングーナガンデもこの日の45分間で確かな手応えをつかんだ。第1関門はクリア。今後は強度の高い試合でどれだけ自分のプレーを出せるのか、その際の体の反応を見ていくことになる。23年にA代表に選出された逸材は今季から背負う6番を初披露。「プレッシャーはありますけど、自分なりの6番をこれから作っていけるようにやっていきたいなと思います」。優しく実直な性格で多くの人々から愛される。取材後に報道陣から拍手が起こるほどのナイスガイが大きな1歩を踏み出した。【佐藤成】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【天皇杯】待ち望んだ東京バングーナガンデ佳史扶が復帰「強くなりました」383日ぶり公式戦