阪神対オリックス 阪神近本は1000安打達成し、記念ボードを掲げる(撮影・上山淳一)

<とっておきメモ>

<阪神8-2オリックス>◇7日◇甲子園

阪神近本光司外野手(30)が通算1000安打をマークした。残り3安打から固め打ちで決めた。プロ野球323人目。

出場861試合目でのスピード到達。阪神の生え抜き選手では、初代ミスタータイガース藤村富美男の864試合を抜いて、最速となった。

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阪神近本は1つ選択が違えば、今ごろ一般企業でネクタイを締めていたかもしれない。投手だった関学大2年時に左肘、左肩を故障。モチベーションが著しく下がった。そもそも大学で野球を続ける情熱も「そんなになかった」と述懐。大学の1年下で、現在は個人トレーナーの植松弘樹さん(29)は「近本さんは『肩、痛いね~』とか言いながらゴロゴロ寝転んでいたイメージです(笑い)」と思い返す。引退してもおかしくない状態だった。

「野球は正直、もういいかなあ」「いいところに就職できれば」。今の近本からは想像もできない後ろ向きな言葉も聞いたという。だが野手転向に腹を決めるとスイッチオン。学生コーチの役割だった植松さんにも質問攻め。向上心はすさまじく、3年春から名手の道を突き進む。ビジネスマンとしてもきっと成功しただろうが、野球の神様は天賦の才を見逃さなかった。【柏原誠】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【とっておきメモ】阪神近本光司はあわや会社員?引退危機知るトレーナー「ゴロゴロ寝転んで」