早大が3連覇で49度目V 明大との2季連続優勝決定戦を制し、連盟創設100周年の春を制す
<東京6大学野球:明大5-6早大>◇優勝決定戦◇4日◇神宮
連盟創設100周年にふさわしい大混戦の春を制したのは、早大だった。明大との2季連続となる優勝決定戦を制し、リーグ3連覇。通算49度目の優勝を飾った。
共にリーグトップの6勝を挙げた早大エース伊藤樹投手(4年=仙台育英)と明大の毛利が先発したが、戦前の予想とは打って変わったゲームになった。初回に6安打で4点を先制するも、3回に明大の小島に3ランを浴びるなど5点を与え逆転を許した。1点ビハインドの6回に寺尾拳聖外野手(3年=佐久長聖)が詰まりながらも中前にに落とす2点適時二塁打を放ち再び前に出ると、最後までリードを守りきった。大一番で打線が奮起。ここまで獅子奮迅の活躍が光った伊藤樹を助けた。
今季転機となったのは、優勝の可能性が消える崖っぷちの明大2回戦だ。伊藤樹が令和初のノーヒットノーランを達成し、そこからさらに3連投で勝利をもぎ取り、勝ち点、勝利数ともに明大と並んだ。逆転優勝の望みをつなぎ、小宮山悟監督(59)は「5連投になりますが、最後はたつきでピシャッと」とエース起用を明言。伊藤樹はこの日打たれはしたが、その後はゼロを並べて試合を壊さなかった。
右手のマメが破れて血がにじもうと、体温が38度を超えようと、言い訳は一切なかった。「僕が投げることが一番、勝ちにつながるから」。3年時から背番号11を背負う右腕は、自らの役割を全うする覚悟で5連投。いずれも勝利に直結する熱投を演じ、春季リーグを締めくくった。
昨秋に続く早明決戦を制し、49度目の栄冠。快進撃を見せる早大は、今秋に節目となる「50度目の優勝」へ挑む。まずは9日から始まる全日本大学選手権へ-。黄金時代をほうふつとさせる伊藤樹の存在は欠かせない。