「日本生命セ・パ交流戦」開幕記者会見でのトークショーに臨む西武西川(撮影・江口和貴)

西武の西川愛也外野手(25)が3日、ちょっと特別な日を迎える。

かつて主軸として甲子園優勝を果たした母校の花咲徳栄(埼玉)から、応援演奏のために吹奏楽部が本拠地ベルーナドームでのヤクルト戦に駆けつける。

「今年はチームとして、去年とは違うぞというところを見せたいです」

昨季も同部は応援に訪れてくれた。でも成績が上がっていなかった西川は、試合出場できなかった。

「そうですね…」

あまり口に出さない分、思いは深い。当然のように悔しかった。

中学チームの先輩だった愛斗(現ロッテ)の姿を追いかけて、大阪から越境入学した。「怒られたことの方が覚えてますね」。

体重増のために夜食をとることを、岩井隆監督(55)から勧められていた。1日だけサボった。

「めちゃくちゃ怒られましたね」

それでも2年時から中心打者を任せてもらえた。その秋からは、応援席からのBGMも変わった。

その名も「サスケ」。先輩の愛斗の打席で流れ、1つ後輩の日本ハム野村にも使われた、同校の最強打者のテーマソングだ。

来るぞ、来るぞ、来るぞ、来るぞ、てごわいぞ-。プロ8年目、現在リーグ8位の打率2割7分5厘。1番打者として、てごわい存在になりつつある。

打てよ、打てよ、打てよ、打てよ、ホームラン-。打率だけでなく現在4本塁打。目標の1つ、2桁本塁打へも着実に進む。

6月3日の吹奏楽部来場が決まった春、岩井監督は「それまで踏ん張っててほしい」と願っていた。西川は時に不調に苦しみながらも、踏ん張りきった。

後輩たちと笑顔の花を咲かせ合う、素晴らしい交流を-。力まず深呼吸して、シーズン51試合目へ向かう。【金子真仁】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【西武】西川愛也がついに花咲徳栄サウンドが響く打席へ 恩師願い通り「踏ん張りきって」の舞台