【日本ハム】新庄監督“執念”のスクイズ連発「打った方が取れん」ずぶとい新庄式で単独首位守る
<ソフトバンク2-5日本ハム>◇27日◇みずほペイペイドーム
日本ハム新庄剛志監督(53)が「執念」の采配でソフトバンクの難敵有原を攻略し、カード初戦を制した。
2-2の8回1死二、三塁で五十幡が2度、セーフティースクイズ失敗したが、最後は二ゴロの間に三塁走者矢沢がギャンブルスタートで勝ち越しの生還。続く石井が1死二、三塁から再びスクイズを試み、貴重な1点を追加した。粘り勝ちで5月は12勝7敗2分け。3試合を残して5月勝ち越し決め、2位西武とのゲーム差を1・5に広げた。
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失敗してもあきらめない。新庄監督が小技をたたみかけ勝利をもぎ取った。2-2の8回。先頭の伏見が二塁打で出塁すると、代走で俊足の矢沢が登場。山県の犠打でソフトバンク先発の有原の失策を誘って無死一、三塁とした。
続く浅間の初球で新庄監督は「セーフティースクイズ」を仕掛けた。ただ、ボール球で浅間は見逃し。その瞬間に少しだけ三塁走者の矢沢が飛び出したところで、ソフトバンク海野が三塁へ送球も、矢沢のヘルメットの後頭部付近にボールが直撃。その間に一塁走者の山県が二塁へ進んだ。
浅間は空振り三振で1死二、三塁となると、新庄監督は続く五十幡の初球と3球目に再び「セーフティースクイズ」を仕掛けたが、ともにファウルで失敗。指揮官は「今日はね、(セーフティースクイズのサインを)6回ぐらい出したから(笑い)」。カウント1-2と追い込まれた五十幡は4球目を打って二ゴロとなったが、三塁走者の矢沢は「ギャンブルスタート」で本塁へスタート。前進守備の二塁牧原大はバックホームしたが、矢沢のヘッドスライディングが一瞬早く、価値ある1点が加わった。
ギリギリの攻防を制して勝ち越すと、続く石井の初球で五十幡が二盗に成功。再び1死二、三塁とすると、新庄監督は「2ランスクイズ」を選択。「石井くん、よう決めてくれた。難しい(ボールを)ね」。2球目を石井が見事に一塁線へ転がして、三塁走者の山県が生還、追加点を挙げた。二塁走者の五十幡のスタートがやや遅れ、本塁でタッチアウトとなったが、「今度、3ランスクイズをしようかな(笑い)」と新庄節がさえわたった。
前カードの楽天戦は3試合連続1点止まり。執念のスクイズ連発にも、指揮官は「打った方が取れんもん。確率がいい方法は、これなんですよ。失敗しても、やる。で、取れる」。防がれても、もう一丁。ずぶとい新庄式で、単独首位を守った。【永野高輔】