メッツ対ドジャース 9回表ドジャース1死、大谷は右前打を放つ(撮影・滝沢徹郎)

<メッツ5-7ドジャース>◇23日(日本時間24日)◇シティフィールド

ドジャースが延長13回で、珍事連発の大激戦を制した。

3回にマイケル・コンフォート外野手(32)の右前打と、大谷翔平投手(30)の四球などで好機を演出すると、2死満塁からウィル・スミス捕手(30)が遊撃への適時打内野安打で先制。続くテオスカー・ヘルナンデス外野手(32)も、左前への2点適時打で追加点を挙げた。

投手陣はクレイトン・カーショー投手(37)が、雨天による約1時間30分の中断もあり2回無失点で降板。3回からリリーフしたマット・サウワー投手(26)や、ベン・カスペリアス投手(26)がリードを守り続けた。

だが、9回に守護神タナー・スコット投手(30)が大誤算だった。安打と四球でピンチを招くと、マクニールに右翼線への適時三塁打を浴び、1点差でなおも1死三塁。続くテーラーに同点の適時打を許して降板した。5番手アレックス・ベシア投手(29)が、2死一、三塁とされるも、サヨナラは許さなかった。

延長タイブレークに突入すると、両チーム3イニング連続の無得点。13回にT・ヘルナンデスの適時打や、パヘスの右犠飛で勝ち越し、その裏にリードを守り切り、ようやく勝利を飾った。

大谷は第1打席から投ゴロ、四球、空振り三振、一ゴロ、右前打、右飛。2試合ぶりの安打を記録した。

この日は「タッチアップ」を巡り、珍事が続いた。2回1死一、二塁でドジャースのムーキー・ベッツ内野手(32)が放った右中間への飛球を、中堅手テーラーと右翼手ソトが交錯しながら捕球。だが、交錯してグラブに触れたボールが再び宙に浮く「お手玉状態」となり、最終的に捕球するタイミングよりも、二走コンフォートのタッチアップが明らかに早かった。

メッツ側はチャレンジを要求したが、公認野球規則の5・09「アウト」(a)打者アウトの原注2に明記されている「野手がボールを地面に触れる前に捕らえれば、正規の捕球となる。その間、ジャッグルしたり、あるいは他の選手に触れることがあってもさしつかえない。走者は、最初の野手が飛球に触れた瞬間から、塁を離れてさしつかえない」によって、タッチアップが認められた。

さらに、3-1の4回1死三塁のドジャースの守り。メッツのアロンソが右飛を打ち上げると、三走マルテがタッチアップのスタートを切るも、本塁でタッチアウトの判定。だが、審判団は、三塁手マックス・マンシー内野手(34)が、右翼手T・ヘルナンデスの捕球を確認しようとしたマルテの前に立ち、視界をふさぐ形を取っていたとし、走塁妨害で犠飛が認められた。

NHKBSで解説した元日本ハムの田中賢介氏は「今日はいろいろなタッチアップがありますね。もう1回調べたいですね。野球規則がこんなに活躍する日がくるとは」と苦笑い。延長10回表の攻撃が終了した午後1時の時点で、中継は打ち切られた。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 ドジャースが珍事連発の大激戦を延長13回で勝利 「タッチアップ」巡る大混乱や勝利目前の同点劇