NHK解説陣も困惑の珍事は野球規則に明記されたルールだった 大谷翔平絡むタッチアップ判定
<メッツ-ドジャース>◇23日(日本時間24日)◇シティーフィールド
NHKBSの解説陣も知らなかったというルールは、公認野球規則に明記されていた。
珍しいプレーは、雨で中断する直前に発生。1死一、二塁から、2番ムーキー・ベッツ内野手(32)が右中間へ飛球を放ち、二走マイケル・コンフォート外野手(32)は、タッチアップに備えて二塁ベースへ帰塁した。
メッツの右翼手ソトが捕球体勢に入っていたが、中堅手テーラーが打球を追い、両者が交錯する形に。交錯した際にいったんグラブに触れたボールが再び宙に浮く「お手玉状態」になり、最終的に捕球したタイミングより、コンフォートのスタートは明らかに早かった。一塁走者の大谷翔平投手(30)も二塁に進んだ。
審判団がビデオ判定すると、コンフォートのタッチアップが認められた。メッツサイドは納得しない様子だったが試合は再開した。
当初はNHKBSの中継でもコンフォートのスタートが早かったとしており、判定に驚きの声が上がった。解説した元日本ハムの田中賢介氏は「年に1回あるかないか。何十年も野球やってますけど知らないルールって2~3年に1回出てくるんですよ。そうだったというやつが出てくるので、まさにこれはそういう案件ですね」と話した。
その後の中継で、公認野球規則の5・09「アウト」(a)打者アウトの原注2に明記されていることが紹介された。
「野手がボールを地面に触れる前に捕らえれば、正規の捕球となる。その間、ジャッグルしたり、あるいは他の選手に触れることがあってもさしつかえない。走者は、最初の野手が飛球に触れた瞬間から、塁を離れてさしつかえない」と記されている。
中継では「センターとライトが交錯して、いったん捕球してジャッグルという形になりました。ですから二塁ランナーのコンフォートはその時点でスタートを切って良かったということなんですね」と説明した。