中日対阪神 10回裏中日2死二塁、加藤匠を見逃し三振に仕留め、雄たけびを上げる湯浅(撮影・前田充)

<中日0-3阪神>◇23日◇バンテリンドーム

阪神湯浅京己投手(25)が、国指定難病「胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症」からの復帰後初勝利を挙げた。0-0で迎えた延長10回に登板。2死一、二塁のピンチを招いたが、加藤を見逃し三振に仕留め、両手をたたいてマウンドを降りた。1回0封直後の11回の勝ち越しを呼び、レギュラーシーズンでは22年8月30日広島戦以来、997日ぶりの白星をつかんだ。

「(村上)頌樹さんがすごくいいピッチングしていた。いい流れでつなげるようにしようと、ブルペンでも話していた。だから自分もつなげられるようにと」

チームの窮地を救った。前日22日は今季18試合に登板し、防御率0・53のセットアッパー桐敷が、左上肢の筋疲労で出場選手登録を抹消。ブルペンの緊急事態の中、2試合連続延長の激闘に突入した。2試合とも10回を任された湯浅はしっかり0封。桐敷の穴を埋めるアツアツ投球で、村上以下4投手による今季7度目の0封勝ちに一役買い、首位陥落も阻止した。

試合後のベンチでは、ウイニングボールをつかんだ森下から記念の1球を渡された。重要な場面での登板も増え、1軍復帰後は10試合連続無失点。防御率0・00の安定感で勝利の方程式の一角に戻ってきた。23年WBCで世界一に輝いた22年の最優秀中継ぎ右腕が、闘病やリハビリを乗り越え、完全復活を証明中だ。

藤川監督は「リリーフ陣全員、投手陣全員で勝ちを拾った。湯浅も素晴らしいですけど、つないできての結果ですから」とたたえた。昨年の最優秀中継ぎ左腕桐敷が抜けてもこの男がいる。虎の新0魔神が、鉄壁の防波堤になる。【塚本光】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】湯浅京己、復帰後初勝利「いい流れ」桐敷の穴埋めた レギュラーシーズン977日ぶり白星