レアル・マドリードのXから

レアル・マドリードは22日、クロアチア代表MFモドリッチ(39)がFIFAクラブW杯(ワールドカップ)後に退団することを発表した。

9月に40歳の誕生日を迎えるモドリッチの、Rマドリードとの現行契約は今年の6月30日までだが、その期間を延長し、来月14日に米国で開幕するクラブW杯の終了後に、同クラブでの13シーズンの長きキャリアに終止符を打つことになった。

スペイン紙マルカは、この状況を受け「39歳のザダル(クロアチア)出身の天才は今季、才能が老いることはないことを証明してきたが、Rマドリードは彼抜きで将来を見据えることを選択した」と説明した。

モドリッチは12年夏にトットナムからRマドリードに加入した。それ以降の13シーズンで公式戦590試合に出場して43得点を記録。欧州で最も大きな成功を収めているクラブで一時代を築く選手となった。

クラブ史上最多の28タイトル(欧州チャンピオンズリーグ=CL=6回、クラブW杯5回、インターコンチネンタルカップ1回、欧州スーパーカップ5回、スペインリーグ4回、国王杯2回、スペイン・スーパーカップ5回)を獲得した。

個人としては18年にバロンドール、FIFA年間最優秀選手賞、欧州年間最優秀選手賞を受賞し、世界のプロサッカー選手による投票だけで決まるFIFA/FIFProワールドイレブンにも6度、選出されている。

代表チームでは、クロアチア史上最多の186試合に出場。18年のW杯ロシア大会では準優勝、続く22年カタール大会では3位に輝き、両大会でそれぞれ、ゴールデンボール賞とブロンズボール賞を受賞した。

今季、MF陣の中で唯一負傷が1度もなく、Rマドリードがここまでに戦った公式戦61試合のうち、キャリア最多となる56試合に出場。4得点3アシストを記録した。

けが人続出の影響を大きく受けてメジャータイトル無冠に終わったチームに、大きく貢献したものの、Rマドリードでクラブチームでのキャリアを終えた後、来年のW杯北中米大会を最後に引退するという夢は、かなわなくなった。

モドリッチは退団に際して、自身のインスタグラムでRマドリードへの思いや感謝をつづった。

「親愛なるマドリディスタ(Rマドリードサポーター)へ。ついにその時がやって来た。決して来てほしくなかった瞬間だが、それがサッカーというものであり、人生には全て始まりと終わりがある。今週土曜日(レアル・ソシエダード戦)にサンティアゴ・ベルナベウで最後の試合を戦う」

「僕は世界最高のチームのユニフォームを着るという希望と、大きなことを成し遂げるという野心を抱いて2012年に加入したが、その後に何が起こるかは想像もしていなかった。Rマドリードでプレーしたことで、サッカー選手や人間としての僕の人生が変わった。史上最高のクラブで最も大きな成功を収めた時代の1つに参加できたことを誇りに思う」

「クラブ、特にフロレンティーノ・ペレス会長、チームメイト、監督、そしてこの間ずっと僕をサポートしてくれた全ての人たちに心から感謝したい。何年にも渡り、信じられないような瞬間、不可能と思えた逆転劇、決勝戦、セレブレーション、ベルナベウでの魔法のような夜を経験してきた…。僕たちは全てを勝ち取り、僕は本当に本当に幸せだった」

「でもタイトルや勝利以上に、僕はマドリディスタのみんなの愛情を、心の中に抱いている。君たちとどれだけ特別な絆で結ばれ、支えられ、リスペクトされてきたか、どれだけ愛されてきたか、そして今、感じていることをどう説明すればいいか、本当に分からない。君たちが示してくれた拍手喝采や愛情のジェスチャーを決して忘れることはないだろう」

「僕は心が満たされた気持ちで退団する。誇りと感謝、そして忘れられない思い出でいっぱいだ。クラブW杯の後、このユニフォームをピッチで着ることはないだろうが、僕はいつまでもマドリディスタだ」

「また会えるだろう。Rマドリードは生涯に渡り、いつまでも僕のホームだ。アラ、マドリード。それ以上のものはない」

(高橋智行通信員)

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 レアル、モドリッチの退団公式発表 クラブ史上最多28タイトルを獲得した13年のキャリアに終止符