【阪神】桐敷抹消の緊急事態…10人入れ替えも救援陣踏ん張れず、あと一本出ず4時間18分競り負け
<阪神2-3巨人>◇22日◇甲子園
首位阪神が4時間18分の激闘で競り負けて連敗、開幕4カード目で初の巨人戦負け越しを喫した。2-2の延長11回2死二塁で、6番手ネルソンが門脇に決勝の適打を浴びた。セットアッパー桐敷拓馬投手(25)が、左上肢の筋疲労で出場選手登録を抹消された緊急事態で救援陣が踏ん張れず。好機であと1本が出なかった打線も3番森下翔太外野手(24)が自打球で負傷交代し、23日の出場は不透明。2位広島が0・5差、3位DeNAも1差に接近と踏ん張りどころを迎えた。
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巨人の最強守護神マルティネスを打ち崩すまで、あと1歩。藤川監督は「勝負ですからね、はい」と潔く負けを認めた。
1点を追う11回裏、先頭佐藤輝が右前打で出塁。2死二塁まで追い込まれるも代打渡辺、豊田がつないで2死満塁。反撃ムードは最高に高まったが、梅野が二ゴロに倒れた。2回の大山の一時逆転2ラン以降、再三の好機をつくったが、あと1本が出なかった。
2-2で迎えたその直前、延長11回に6番手ネルソンがつかまった。笹原を内野安打で出塁させ、暴投もからんで2死二塁。門脇の打球は右翼植田の頭上を越えて、痛恨の決勝適時三塁打を献上。「まだ新戦力といいますかね。(登板)2試合目ですからね、そのあたりは、結果はどっちに出るか分からないですからね」。指揮官は責めることなく、結果を受け止めた。
8回無死満塁では、森下の自打球が左膝内側を直撃。シュート攻めで三ゴロ併殺に倒れたが、9回表守備から大事をとって交代した。指揮官は「自打球ですからね。明日になってみないと分からないですね」と話し、森下も23日以降の出場について「分からないです。明日になってみないと分からない」と話すにとどめた。3番の離脱となっては一大事。状態が心配されるが、軽症を祈るしかない。
チーム一丸で乗り越えなければいけない局面かもしれない。この日の試合前、ここまで18試合に登板した昨季の最優秀救援左腕桐敷が、左上肢の筋疲労のため出場選手登録を抹消。さらに前川、富田ら計5人が2軍合流となり、ルーキー木下、岩貞、ヘルナンデスら5人が1軍に昇格。藤川政権では最多となる大量10人の入れ替えを敢行した。
藤川監督は桐敷について、先を見据えての措置と説明。「短い期間で戻ってこれるようにという対策ですから」。長いシーズンを見据えて、全員でカバーすることがチーム力強化にもつながる。「シーズンは長いですからそれを打ち破っていける個人の力、チームの力を日々悔しい中から見つめていけばいい」。開幕から巨人戦4カード目で初の負け越しを喫したが、目先の結果よりもセットアッパーの回復を最優先させた。
首位固めウイークといきたいところだったが、引き分けた2位広島が0・5差、勝った3位DeNAも1差に迫ってきた。どんな危機も一丸で乗り越える。ひとつの踏ん張りどころだ。【磯綾乃】