パスを出す新潟医療福祉大・高足(撮影・小林忠)

サッカーの天皇杯全日本選手権が24日、全国各地で開幕する。新潟県代表の新潟医療福祉大(2大会ぶり8度目)は1回戦でJ3奈良クラブ(ロートF)に挑む。過去、関西1部所属時代に格上のJチームを破るジャイアントキリングを2度演じている難敵とのマッチアップとなるが、MF高足龍と右MF上之平暉羅(ともに4年)が巧に、そしてスピード豊かに攻撃をけん引して金星をつかみ取る。

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蝶(ちょう)のように舞い、蜂のように刺す。攻撃の中心を担う高足のプレーエリアはピッチの中央。2トップの一角、トップ下、インサイドハーフの位置で、最前線に張るFW吉田晃盛(4年、J3北九州内定)をサポートしながらゴールに迫る。「相手の間でパスを受けて攻撃のテンポを作りたい」と奈良クラブ攻略のイメージを膨らませる。

ついたあだ名は「華麗な攻撃のコンダクター」。味方と敵の立ち位置を把握してシンプルにパスをたたき、相手守備陣の編み目に緩みがあれば、力みのないドリブルでボールを運ぶ。「相手と駆け引きしながら得点したい」。目標のプロ入りに向け、今大会は「就職活動」にもなるだけに、持ち味を存分に発揮してスカウトの注目を集めたい。

昨季から主力を張り、夏の総理大臣杯と冬の全日本大学選手権のダブル準優勝に貢献した。同大は今季も好調を維持。主戦場の北信越大学リーグ1部を含め公式戦は全勝で、J1新潟と行った12日の練習試合(45分×2本)では2-1で勝利している。90分フル出場した司令塔は「力の差は感じたが、昨年の練習試合(4-2)の時よりできることが増えた感覚もあった。個人、チームとして勢いを持って天皇杯に臨みたい」。

マッチアップする奈良クラブは23年からJ3に参戦。天皇杯では関西1部に所属していた14年大会で福島ユナイテッド(当時J3)、仙台(当時J1)を連破する大番狂わせを演じている。「誰も『プロ相手だから負けてもいいよね』という気持ちはない。受け身にならず、自分たちから仕掛ける」。勝ってJ1京都が待つ2回戦に必ず駒を進める。【小林忠】

○…上之平が、強気にサイドをぶち抜く。「楽しみ。自分らしさを発揮して勝利に貢献したい」。右タッチライン際からラインブレークを狙うチームの爆速キング。ハイスピードの中でも乱れないボールコントロールからクロス、シュートに持ち込む。激しく上下動する運動量は、鹿児島実高出身のコーチから指導を受けた小学生時代に、J2磐田U-15では攻守の切り替えを、同18でスピードを身につけた。「天皇杯にかける思いは強い。チームのためにゴール、アシストと結果にこだわる」と力を込めた。

◆高足龍(たかあし・りゅう)2003年(平15)7月13日生まれ、東京都八王子市出身。サッカーは高尾SC(散田小1年)で始め、FC杉野ジュニアユース(横山中)から千葉・流通経大柏へ進学。同3年時の高校選手権千葉県大会決勝で2得点し全国出場に導く。新潟医療福祉大3年で総理大臣杯と全日本大学選手権準優勝。24年度デンソーカップ北信越選抜。170センチ、68キロ。利き足は右。

◆上之平暉羅(うえのひら・きら)2003年(平15)12月17日、浜松市出身。2人の兄の影響で幼少期にサッカーを始める。オイスカFCからJ2磐田U-15のセレクションを受けて合格し、同U-18までプレー。新潟医療福祉大では昨年から主力。24年度デンソーカップ北信越選抜、プレーオフ選抜。168センチ、64キロ。利き足は右。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 新潟医療福祉大MF高足龍&MF上之平暉羅「特徴出す」天皇杯1回戦でJ3奈良クラブと対戦