【横浜】ついにクラブワースト7連敗…神戸大迫に決勝点奪われ1-2、宮市負傷交代も響く
<明治安田J1:横浜1-2神戸>◇21日◇第13節◇日産スタジアム
最下位の横浜F・マリノスがヴィッセル神戸に1-2と敗れ、ついにクラブワースト記録となる7連敗を喫した。
これまでは2008年の6連敗が最長だったが、17年ぶりに更新。3月16日のG大阪戦(2-0)を最後に11試合未勝利となり、2カ月以上も長いトンネルにはまっている。
苦境を打開するため、横浜はリスクを背負って前へと出た。両サイドバックが高い位置を取り、攻撃の枚数を増やした。左ウイングのFW宮市は快足を生かして果敢に縦突破を繰り返した。立ち上がりから気合十分だった。
しかし百戦錬磨の王者、神戸に一瞬のスキを突かれた。前半19分、MF扇原がエリア内へ浮き球パス。エリキに巧みなコントロールから左足でゴールを奪われた。
そこへアクシデントが重なる。前半24分、DFウォルシュのインターセプトを起点にMF山根が素早く左前方の宮市へスルーパス。鋭いドリブルからシュートを放った際、右ハムストリングを痛めた。試合開始から何度もスプリントを繰り返していたことも影響した。自らバツ印をベンチに向けて送り、担架で運び出された。切れ味鋭いプレーを披露していた槍を1点ビハインドという状況で失った。
重くなりそうな空気を一掃したのは主将のMF喜田だった。前半43分、ショートCKから山根が喜田の足もとへパス。ゴールまで25メートルほどの位置。喜田はゴール前の状況を瞬時に見極め、右足を鋭く振った。無回転となった弾丸ミドルはゴール左角上へ鮮やかに突き刺さった。魂の一撃。1-1の振り出しに戻した。
次の1点が勝負の行方を左右する。そんな状況の中で神戸の絶対エース、大迫に勝ち越し点を許した。
後半6分、神戸は左サイドからのFK。扇原がファーサイドへ高いボールを送ると、待ち構えた大迫が頭で合わせる超絶のコントロールシュート。フワリと浮いたボールはGK飯倉の伸ばした手の先を越えてゴールに飛び込んだ。大迫は2試合連続のゴール。再び1点のビハインドとなった。
その後、挽回しようと懸命にボールを追うが、経験値の高い選手が揃う神戸の老獪な攻守に押し込まれた。ゴール裏のサポーターが懸命に歌い続け、チームの背中を押す。それでも攻めあぐねる場面が増え、膠着(こうちゃく)した状況を打破できない。時間だけ過ぎていく。追加タイムは8分あったが1点がどこまでも遠い。そして無情のホイッスルが鳴り響いた。
ホーランド前監督から引き継いだキスノーボ監督は代行指揮も含めて5戦全敗。25日の次節(日産ス)は、7連勝中の首位・鹿島が相手となる。93年のJリーグ初年度から参加する「オリジナル10」でJ2降格がないのは鹿島と横浜だけだが、今季は既に両者の勝ち点差は29も開いており、明暗がくっきりと分かれている。
攻撃の突破口となるべく宮市の負傷離脱もチームに暗い影を落とす中、今の横浜には一筋の光が見えてこない。【佐藤隆志】