ドジャース対ダイヤモンドバックス 7回表ダイヤモンドバックス2死一、三塁、スミスを空振り三振にしとめ雄たけびをあげる山本(撮影・滝沢徹郎)

<ドジャース4-3ダイヤモンドバックス>◇20日(日本時間21日)◇ドジャースタジアム

【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)20日(日本時間21日)=斎藤庸裕】ドジャース山本由伸投手(26)が、メジャー自己最多110球の熱投でエースの存在感を示した。

ダイヤモンドバックス戦に先発し、6回まで無安打投球。2回以降は毎回三振を奪い、持ち味の制球力を発揮した。7回1安打無失点で、防御率1・86はメッツ千賀滉大投手(32)に次いでリーグ2位につけた。9回に同点とされ、勝ち星はつかなかったが、延長10回、マンシーの犠飛で三塁走者の大谷翔平投手(30)が生還。ド軍はサヨナラ勝ちで連敗を4で止めた。

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ベンチで戦況を見つめていた山本は、うれしそうな笑顔で歓喜の輪に向かっていった。延長10回にサヨナラ勝ち。大谷のホーム生還を見届け、同僚と喜びを共有した。「逆転されましたけど最後に打線がつながって、なんとか全員で勝てたので、すごくいい試合だった」。9回に同点とされ、今季6勝目はならなかったが、窮地のチームを救ったのはエースの熱投だった。

7回、先頭打者マルテに初安打を浴び、2死三塁から四球を与えた。この時点で球数は104球。左打者スミスとの対戦を迎えた。慌ただしくなる左翼ブルペン。左腕ベシアが準備していたが、ロバーツ監督は動かない。山本は「監督の方を見たら出てきていなかったので。もちろん自分も行く気でいましたし、最後のバッターに向かって、思いっきり向かっていけた」。期待に応え、カットボールで空振り三振。「リトル(小)ライオン」と呼ばれる、おなじみの雄たけびとともに、渾身(こんしん)のガッツポーズを決めた。

言葉を交わさずとも、互いの意思が合致した。同監督は「彼は最後の打者を抑えたいと思っていた。マウンドでそういう姿を見せる投手を私は信じたくなる」とコメント。続投を決断した。投手陣を中心に故障者が続出し、先発が長いイニングを投げられない苦しい状況だった。同監督から“エース”と称される山本。「そう監督に言っていただけるのはすごくうれしいですし、期待に応えられるような活躍をしていけたら」と、自身への励みとした。

全球種を捕手スミスの構えたミットへめがけ、丁寧に制球した。2回以降は毎回の9奪三振。自己最多110球の熱投に「勝利に貢献できたことがすごくうれしく思いますし、もっともっとチームの勝ちにつながる投球を毎試合できるように頑張りたい」と力強く言った。「メキシカン・ヘリテージ・ナイト」として開催された一戦で、ド軍公式インスタグラムでは選手にメキシコの国民的スポーツ「ルチャ・リブレ」のプロレスマスクを合わせたショットで、スタメンが公開された。場内は「ヨーシ! ヨーシ!」の大合唱。「歓声はたくさん聞こえました」と山本。5万1932人のファンを魅了する姿はむしろ、「ヨシノブ・ヤマモト・ナイト」のようだった。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 山本由伸が7回1安打0封 メジャー自己最多110球「全員で勝てたので、すごくいい試合だった」