大谷翔平6戦5発、量産態勢の証し17号 今季平均より遅いバットスピード、軽打で逆方向へ
<ドジャース5-9ダイヤモンドバックス>◇19日(日本時間20日)◇ドジャースタジアム
【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)19日(日本時間20日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(30)が、本塁打数で両リーグ単独トップを守った。ダイヤモンドバックス戦に「1番DH」で出場し、6点を追う6回1死の第3打席で左越えに17号ソロを放った。今季、大谷の本塁打のスイングスピードは平均77・6マイル(約125キロ)だが、この日の本塁打は73・9マイル(119キロ)。強振せず、軽打でも逆方向に本塁打を打てる状態が、アーチ量産態勢をキープしていることを証明した。
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大谷はさほど強振しなかった。左翼へ、飛距離389フィート(約119メートル)の17号ソロ。外角のボールゾーンからストライクゾーンのギリギリに入ってくるスイーパーに合わせたようなスイングだった。それでも打球は伸び、スタンドイン。角度よく上がった瞬間、左翼手は追うのを諦めていた。ビハインドは、まだ5点。笑顔はなかったが、手応えを感じているかのようにダイヤモンドを回った。
明らかにスイングが違った。1球目、真ん中の直球を強振し、ファウル。高めのボール球を挟み、1-1からの3球目を捉えた。スイングスピードは73・9マイル(約119キロ)で、大谷が今季放った本塁打の平均スイングスピードより6キロも遅い。打球音も、フルスイングで捉えた時のようなすさまじい音はしない。それでも逆方向へ打球が伸びる。15日のアスレチックス戦でも第2打席で、軽打の逆方向弾を放った。この時のスイングスピードも72・8マイル(約117キロ)と遅かった。
昨季、54本塁打のうち逆方向への本塁打は6本だった。最も遅いスイングスピードは5月29日のメッツ戦で、68・9マイル(約111キロ)。外角速球を、当てにいったかのようなインパクトで左翼フェンスを越えた。その後、6月から無双状態に突入。今年はまだ5月だが、似たような状況を踏まえると、今後も量産態勢が続くだろう。真ん中からインサイドはフルスイングで強振し、外角は軽打。瞬時の判断でコースごとにスイングを変え、フィールドの全方向に本塁打を打てるのが大谷の強みでもある。
直近6戦5発、5月は早くも10本目で、シーズン57発ペースとなった。本塁打数で両リーグ単独トップを守り、ベッツの2打席連続アーチなど1、2番が打線をけん引したが、チームは投手陣が崩れ、4連敗を喫した。「こういう状況はシーズンの中で必ず起こるもの。(チームが)いい状態を取り戻すまで、戦い続ける」とベッツが話したように、打撃好調の大谷と、投手陣を中心とした守りが固まれば、強いド軍が戻ってくる。
▼大谷が今月10本目の本塁打。月間2桁本塁打は21年6月(13本)、23年6月(15本)、24年6月(12本)、8月(12本)、9月(10本)に次ぎ6度目。5月は初めて。今月は残り10試合あるが、何本まで伸ばせるか。チーム48試合目の17号は21年の61試合目を上回る自己最速となり、シーズンペースは57本。