三笘薫、プレミアLで日本人初2ケタ得点も「もっと高いところを」最高峰舞台快記録も満足せず
<プレミアリーグ:ブライトン3-2リバプール>◇19日(日本時間20日)◇第37節◇アメリカンエキスプレス・スタジアム
<プレミアリーグ:ブライトン3-2リバプール>◇19日(日本時間20日)◇第37節◇アメリカンエキスプレス・スタジアム
ブライトンのMF三笘薫(28)が、ホームのリバプール戦で1-2の後半20分から出場し、4分後に今季リーグ戦10ゴール目を決めた。欧州5大リーグで日本選手のシーズン2桁得点は8人目。最高峰のプレミアリーグでは史上初の快挙となった。三笘が絡んだ攻撃でさらに1点を加え、今季優勝クラブを相手に3-2で競り勝った。リバプールのMF遠藤航(32)は後半32分から右サイドバックとしてプレーし、三笘とマッチアップした。
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三笘がチームに流れを呼び込んだ。1-2の後半20分から途中出場し、その4分後。左サイドでパスを受けて独特の間合いで仕掛けた。相手2人を引きつけてパスを送った後、大きく弾んだシュートのこぼれ球に素早く反応。左足ボレーでたたきつけてネットを揺らした。股関節が柔軟だからこそ、なせる技か。プレミアリーグで日本選手としては初めてシーズン2桁得点に到達し「もっと高いところ(に目標)を設定していた。最低限」と満足しなかった。
今季の成長を示す、ストライカーのようなゴール前での鋭い動き。左サイドからのチャンスメークだけでなく、「中(ゴール前)での動きもやらないと」とプレーの幅を広げる。鮮やかなドリブルからの独走ゴールに加え、この日の同点ゴールに象徴されるように、今季ここまで10点中8点がワンタッチゴールだ。
20日に28歳の誕生日を迎えた日本代表アタッカーは、その後も若い選手が多いチームを引っ張り、果敢にゴールを目指した。後半40分には敵陣左サイドで遠藤とマッチアップ。DFをもう1人引きつけてから出したパスが起点となり、最後は20歳のMFヒンシェルウッドが勝ち越し点を挙げた。
今季王者に逆転勝ちし、チームは最終節を残して8位に浮上。来季の欧州カップ戦出場権争いに踏みとどまった。試合のMVPに選ばれた三笘は「(今季)ラストのホーム戦で勝ちが必要だったので、いい流れをつくれた」と喜んだ。
シーズンの終盤戦は右かかと痛が悪化し、コンディションは万全ではない。序盤戦は先発で結果を残してきたが、ここ最近は途中出場が続く。それでも本人は心も体も柔軟。「どんな形でも勝利に貢献できればいい」。日本代表でもそうだったように「ジョーカー」としてもゴールを量産し、最高峰の舞台で日本選手初の快記録を達成した。